えほん社の本棚では、毎月、月ごとのテーマにそって、えほんを紹介していきます。火曜日には紙のえほん、水曜日にはデジタルえほんです。そして、11がつのテーマは、「しりとり」。
さて、きょう選んだのは『おしりとり』です。しりとり・かたち・物語を楽しむことができるえほんです。表紙にうつるピンク色のぷりっとしたおしりの鳥が、このおはなしの主役おしりとり。この〈おしりとり〉からしりとりが始まります。次につづく言葉のシルエットが描かれていて、その“かたち”からヒントを得て言葉を浮かべることができます。
ちいさなころ、しりとりをすると、つまずく文字がひとつありました。その文字は、「る」です。「ルビー」が出てしまったあとは、「る」がまわってこないようにと祈りました。「ルーレット」や「(カレーの)ルー」。あのころ、もっと身近で知っている「る」のつくものがあったはずなのにふしぎです。「ルーマニア」、「ルーツ」、「ルクセンブルク」、「ルート」、「類義語」、たくさんの言葉を覚えたなとちょっと大人になったことを感じました。
そんなしりとりの思い出をこの本を読み、思い出しました。かわいいイラストとユーモアあふれるおはなしも楽しむことができる「しりとり」えほんの『おしりとり』です。
(たねおい)
『おしりとり』
作・絵: 本 秀康
出版社: 長崎出版 (http://doremifa.net/nagasaki/)
税込価格: ¥924(本体価格:¥880)
発行日: 2010年07月
ISBN: 9784860954048
A5変版 32ページ