BLOG

Digital Children’s Book Fair 2015 Report!!

こんにちは!国際デジタルえほんフェア運営事務局です。
今年も去る8月29日(土)30日(日)に、ワークショップコレクション11の中で「国際デジタルえほんフェア2015」を行いました!夏休み最後の土日、取り壊し予定のビルで行ったワークショップコレクション11は大盛況、デジタルえほんフェアブースも大盛況でした。当日の模様をレポート致します。

Hello! We are the Digital Children’s Book Fair Committee.
‘Digital Children’s Book Fair’ was held at Workshop Collection 11 on August 29th (Sat) and 30th (Sun). This year, the event was held on the last weekend of the summer holiday at the two buildings that were expecting to be pulled down. Workshop Collection 11 as well as Digital Children’s Fair Booth ended with great success! Please find the event report from the link below.

日本語ページはこちらから
English Page from here

2015年9月1日
Digital Children’s Book Fair 2014 !!

Hello everyone!
We’re Digital Children’s Book Fair Executive Committee in Tokyo.
Thank you very much for waiting!
Here is our report on Digital Children’s Book Fair 2014 held on August 29th -30th along with Workshop Collection 10!

 
 
 
We had wonderful 2days this year again that were filled with lots of children’s smile in our 10th Workshop Collection at the new venue, Aoyama Gakuin University.
It was visited by approximately 57,000 people this year!
 
As you can see from the picture, there were 32 tablets including iPads and Android tablets on small 6 tables for children and higher tables for adults beside the wall.

 
 
We divided apps according to continents that their developers are from so that children could easily get to know each app. There were 3 groups; a table for Asian and Oceanian apps, 2 tables for North American and South American apps, and 3 tables for European, the Middle Eastern and African apps.
  
The screen with flags were displayed on each tablet to show which apps it contains like these pictures below.
 
  
  
Thanks to all who supported and provided the apps for us,
We proudly displayed about 250 apps from 40 countries this year!!
So we prepared a simple leaflet with information of the apps for this fair to
give a chance for all visitors to reach each app and enjoy them at home.
Hope it was a good present for the visitors!!
 
 
 
Furthermore, we gave our face painting sticker with our logo together!
We were really happy to see children with the sticker on their cheek!

I guess you could imagine how adorable they were!!
 
 
 
To be honest, we had a lot of anxiety with excitement
before it opened because it was the last weekend of
summer holiday in Japan…..so we were wondering…
 
Will there be any children to come and visit our fair after all?!
 
But soon after it opened, we realized the tables were immediately occupied!!

We were so relieved and happy to see the view!
 
 
 
Let’s see the pictures and let us tell you how children had fun with the apps!
  
  
 

Some children were playing apps with their parents…
 
 
 
 


“This is fun!!”
“Which one? I wanna try that one too!”
Some children were sharing good apps with their friends and enjoy them together…
 
 
 
 
 

Some children were fully concentrating on just only one app by themselves…
 
 
 
 

And some children tried as many apps as
possible… 20apps were the best record!
 
 
 
 
 

This picture was taken in AR corner. Many children enjoyed seeing their picture became 3D!
Surprisingly, some parents downloaded the app just right there and tried it with their own tablets.
 
 
 
 
 

Little children were fascinated with this app with its toys with their grandfathers and grandmothers, e.t.c…
 
 
 
 
 

Each kid had each way to play apps but all of them seemed to have a good time!
 
 
It was really impressive for us to see each kid gradually getting familiar with each app although they found difficulties for the languages and characters at the beginning.
We can say it’s one of the good points of being digital that you can learn by sensation!
 
 
By the way, I can’t forget to say this whole room was a full of active children in a whole day because of many activities in this room!


Visitors could see the Digital Ehon Award ceremony,

try the AR work called “PETER PAN” developed by Digital ehon Co., Ltd and Dai Nippon Printing Co., Ltd.

and participate in “ Ehon-making workshop” produced by students from Joshibi University…e.t.c
 
 
 
 
 
 
We hope these experiences will realize the children in this electronic age someday that there’re many different languages and cultures in the world and this fair could be an opportunity for their parents to expand children’s abilities as well.
 
 
Please let us inform you again about our next exhibition in October in the end.
Digital Children’s Book Fair 2014 at amu will be held on October 8th – 13th, 2014
at a multipurpose creative space “amu” in Tokyo.
We’ll make a good use of previous experience in August and try our best to create more comfortable place where both adults and children can enjoy the apps.
 
We’d like to thank all of visitors, developers and the people who supported this fair again!
Please give us your continuous support for “amu”, Digital Ehon Co., Ltd and Digital Children’s Book Fair!
 
 
Thank you very much!
 
 
 
Please check and see the pictures at the fair ⇒Facebook
 
Digital Children’s Book Fair Executive Committee

2014年9月24日
国際デジタルえほんフェア2014@WSC10 レポート!

こんにちは!国際デジタルえほんフェア運営事務局です。
前回同様国際デジタルえほんフェアから出張して、今日はこちらにお邪魔します。
 
さてさて、大変お待たせ致しました。
今回は、先月8月29日(金)、30日(土)に行われました、
国際デジタルえほんフェア2014@ワークショップコレクション10の様子をご紹介いたします!

 
 
 
今回で10回目を迎えたワークショップコレクション
青山学院大学という新しい会場を舞台に、今年もたくさんの子どもたちの笑顔があふれる2日間となりました。
来場者は二日間でなんと5万7千人!
その、ワークショップコレクション10の1会場で行われたのが、国際デジタルえほんフェア2014であります。
 
 
 
今回は立派な教室の一角にスペースを頂き、デジタルえほんやARコーナーなども設置。
iPadやAndroidタブレットは合計32台、こども用の机上に端末を、
大人用のiPadも壁の机にずらっと並べました。
こども用の机は全部で6台。机1台につき、4台の端末を置いています。

 
 
 
 
こどもたちが遊びやすいよう、端末の中身のアプリは大陸毎に分けて、
アジア・オセアニアのアプリが遊べる机、
北・南アメリカのアプリが遊べる机、
ヨーロッパ・中東・アフリカのアプリが遊べる机…と、3パターンにゾーニング。
 
  
自分がどの大陸のアプリを遊んでいるのかわかりやすいよう、待ち受け画面はこんな感じに設定しました。(クリックで拡大)
    
  
  
  
さてさて、今回集まった世界のアプリの数は
  
なんと、
  
   
40カ国250作品!!!
 
出展者の皆様、本当にありがとうございます!!
  
  
より多くの子どもたち、親御さんにわかりやすく伝えるため、
また帰宅してもデジタルえほんフェアを楽しんで頂くため、
今回の出展アプリが全部載っているパンフレット、ワーコレ版をつくりました。
 
こちらは来場者の方へプレゼント!
  
  
そして更に子どもたちには、ロゴが入ったフェイスペイントもセットであげちゃいました。

これをつけた子どもたちが、またかわいいんです!
   
   
そんなこんなで結構良い感じに設営が終了。
あとは子どもたちを待つばかり。
  
  
  
夏休みも終盤、はたして子どもたちは来てくれるのか…!?
  
ついにOPEN!
  
  
  
・・・と同時に、
  
  
  

即 満 席!!!


すごーい!!
  
  
さてさて、気になる当日の様子を写真で振り返ってみましょう!
  
  
  
  

小さい子がお母さんと一緒に遊んでます。
何か反応がある度にリアクションしていました。
良い笑顔ですね。
  
  
  
  
  

「わーこれ面白い!」
「えーどれぼくもやる!」
と、友達同士で面白いものを教えあって一緒に楽しむ子たちや、
  
  
  
  
  

ひとつの作品に集中してずっと遊ぶ子、
  
  
  
  
  

いろんなアプリをとにかく試して遊ぶ子も。
20個遊んだ!という子もいました。最多記録です。
  
  
  
  
  
  

こちらはARコーナー。自分のぬりえが立体化する事に大喜び。
その場でアプリをDLする親御さんも。
  
  
  
  
  
  

小さい子には、積み木感覚で遊べるアプリをご案内。
おじいちゃんおばあちゃんと一緒になって、夢中で遊んでいました。
  
  
  
  
  
  
  
遊び方は人それぞれ、ただ、みんな、とっても楽しそう。
  
それぞれが普段見慣れない文字や言葉に最初は躊躇しながらも、
試しているうちに、遊び方を自分で見つけて、遊んでいく姿が印象的でした。
「感覚で掴んでいく」というのが、デジタルの強みなのかもしれませんね。
  
  
  
また、同会場では、デジタルえほんアワードの表彰式が行われたり、

 
 
デジタルえほん社・大日本印刷株式会社様と共同開発のAR魔法のえほん「ピーターパン」を体験できたり、

 
 
女子美術大学の学生による「えほん作りワークショップ」があったり・・・、

とても活気のあるデジタルな場となりました。
  
  
  
  
  
  
今後、ますますグローバル化、デジタル化が進んでいく社会で生きていく子どもたち。
いつかどこかで、世界のデジタル作品に触れたこの日の経験が、
言語の違いに気付くきっかけであったり、
違う文化への気づきになったりと活かされることを願います。
また、保護者の皆さまにとっても、
お子さんの可能性のひとつを拡げる、小さくても大切な気づきの場となっていれば、とても嬉しく思います。
  
  
  
当日はとても大勢の方に足を運んでもらった、良い展示になりました。
参加者の皆様、出展者の皆様、誠に誠にありがとうございました!
  
  
  
さてさて、反省点や改善点もありますが、既に巡回展が決定しております!
恵比寿にある多目的クリエイティブスペースamuにて、
2014年10月8日(水)~10月13日(月)に開催予定です。
今回の経験を活かし、大人も子どももさらに楽しめる空間になるよう、より一層励んでまいりますので、
引き続き、多目的クリエイティブスペースamu、デジタルえほん社、および国際デジタルえほんフェアをどうぞ、宜しくお願い致します!

当日の様子はこちら→Facebook
  
  
  
  
  
  
★余談★

むかいのブースは今をときめく話題のPepperくんでした。
ちゃんと受け答えしたり遊んでいたり、未来がすぐそこまで来ているなと思いました。


  
  
  
  
お読み頂きありがとうございました。

国際デジタルえほんフェア 運営事務局

2014年9月22日
【5/5(月)ぴよちゃんのせかい展スペシャルワークショップレポート】

【5/5(月)ぴよちゃんのせかい展スペシャルワークショップレポート】

  

こんにちは。
本日は、ワークショップレポートをお届けします。
ドットDNPの地下1階にあるデジタルえほんミュージアムにて開催している「ぴよちゃんのせかい展」関連イベントとして、5月5日こどもの日に、作者のいりやまさとし先生を講師にお迎えしたスペシャルワークショップを行いました。
第1弾の今回は「ぴよちゃんやぴよちゃんのおともだちにヘンシン!」ワークショップ。

1枚の紙、1枚の布のかたちを変えて、ぴよちゃんにヘンシンしました。
いりやま先生にぴよちゃんの特徴や描くときのコツを教わりながら、
親子で協力して制作をしました。

 
 
 
いりやま先生からこどもたちへ、はじめの挨拶とこれからやることをおはなし
気さくでやさしいことばから、こどもたちも緊張がほぐれていったようでした。
 
 
 
 
 
ぴよちゃんを顔を描くときのポイントをおはなしいただきながら、実際に描いていただきました。
 
 
 
 

こどもたちも、先生の手元を映したモニターを真剣に見つめていました。 
 

 
 
 
 

「みんなそれぞれのぴよちゃんを描いてね」といりやま先生。 
席をまわり、すてきな部分を見つけ てくれたり、もっとすてきになるポイントをおはなししてくれました。 
 
 
 

目とほっぺを描いたら、さっそく頭にまいていました。
 
 
 
 

協力して、組み立て、まったいらだった紙が帽子にヘンシンしました。
あとは、ぴよちゃんの特徴でもある頭のつんつんつんを貼りつけて、完成!
 
 
 
 

次は、布を、ぴよちゃんマントにヘンシンさせます!
おおきな裁ちバサミをつかって、切ることに真剣な表情。 
 
 
 
 

布や毛糸などをつかって、マントを彩っていきます。とってもすてきな表情ですね。 
 
 
 
 

布の上、色えんぴつで描くことができることスタッフは知りませんでした。 
こどもたちが自分で試しながら可能性をひろげています。 
 
 
 
 

「こんなふうにしたい」がこどもの中にひろがり、いっしょうけんめいに伝え、
おとなが耳をすまし、協力してひとつのものを制作していく。
おやこワークショップのよいところだなとかんじています。
 
 
 
 

大きな布にすてきな模様が描かれていきました。 
 
 
 
 

ぴよちゃんにヘンシン!
帽子とマントを制作した後に、ヘンシンムービーを撮影しました。 
 
 
 
 

ヘンシンムービー上映会!どれも愛らしく素敵でした。 
 
 
長時間でしたが、さいごまで集中して取り組んでいただきました。
ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。
7月に第2弾、8月に第3弾がありますので、
今回ご参加いただいたみなさまも、ご都合の合わな かったみなさまも、 
ぜひ、いらしていただけたらうれしいです! 

(たねおい) 
 
 
 
 
 
 
 
 
デジタルえほんミュージアム
http://www.dnp.co.jp/dotdnp/floor/digital.html 

場所
東京都新宿区市谷田町 1-14-1 DNP 市谷田町ビル 

開館日時
月~土曜日(祝日を含む) 10:00-18:00 

休館日
日曜日・年末年始 
 

2014年5月15日
トークイベント「デジタルえほんの未来について考える」第二回「表現とメディア」当日レポート!

 7月31日、ドットDNPにて現在開催中の「ふねくんのたび展」に合わせ、トークイベントが行われました。
 
 ご来場いただいたみなさま、どうもありがとうございました!
 
 
 “デジタルえほんの未来を考える”と題しました本トークイベント、二回目の今回は「表現とメディア」をテーマに、本展示の原作「ふねくんのたび」の作者であるいしかわこうじさんを迎え、デジタルえほんからは代表の石戸、アートディレクターの季里、さらに大日本印刷hontoビジネス本部ビジネス開発ユニットの吉岡康明さまにご登壇頂き、トークセッションが行われました。
 
今日は、そんなトークイベント当日の模様をお届けします。
 
 
 

 
 
 
 まずは原作者であるいしかわさんから、ふねくんのたびが生まれた経緯についてお話いただきました。

 
  
いしかわさん:最初に作った絵本は「どうぶついろいろかくれんぼ」という本で、これだけ作ろうと思ったんだけど、(出版社の人に)“のりもの”も作ってくれと言われて、作ったんですね。そのときに、ふねを描いたんです。何かストーリー絵本というか、ストーリーのあるものを作ってみたいなあとはずっと思っていて、このふねが動いたらいいんじゃないかっていう風に思いつきまして。だから、この絵がスタートなんです。
 
 
 
 人気シリーズである“しかけ絵本シリーズ”うちの一作、「のりものいろいろかくれんぼ」の表紙の真ん中に、ふねくんはいます。絵本「ふねくんのたび」のきっかけは、ふねくんの絵そのものから始まったそうです。
 
 
 
いしかわさん:ぼくは海とか港町がすごく好きで、いろんなところを旅をして、港や海を見て、この本も海とか空とか港とか、そういうものをのんびり眺めて楽しめる絵本にしたいなあって思って作りました。

 

 
 
 
 
 今回の展示を企画するにあたって、アートディレクターの季里が一緒にデジタルえほんを制作したい人として、最初に名前があげたのがいしかわさんでした。コンピュータによる新しい表現が登場しはじめた1990年代に、既にふたりはお知り合いだったそうです。
 
 
 

季里:当時のCGっていうのは、すごく反射してリアルなものを作るというのが主流でした。その中でいしかわさんはほのぼのした絵をコンピュータとして描いていらっしゃって。私自身も、研究室に所属していた時に、何億円のコンピュータを使って、“こんな漫画みたいなものを作って!”と先生によく言われたりしていまして(笑)いしかわさんは同じ匂いがすると勝手に思っていました。
 
 
 
 
 
 イラストレーターから転向し、絵本作家としての活動を始めたいしかわさん。そんな、もともと“デジタル畑”にいたいしかわさんが絵本制作をはじめたのなら、きっとデジタルえほん制作に興味をもってくれるはずだと、私たちはいしかわさんのもとに今回の企画展のお話を持っていたのでした。
 
 
 

 “のんびり眺めて楽しめる絵本”として生まれた「ふねくんのたび」を、今回の展示に向けデジタル化するにあたって、私たちのあたまにあったのは“世界一ゆっくりしたデジタルえほん作ろう”ということでした。
 
しかしながら、企画当初絵本のデジタル化に対するいしかわさんの反応は、あまりいいものではありませんでした。
 
 
 

 
 
 

いしかわさん:絵本っていうのは、二次元的なものが印刷されているんですけど、結局は立体物なんですね。厚みがあって、手に取れる、ページを開いてみるとかたちがだんだん現れてくる、触ってみて固いと感じるとか、五感で感じるものだと思うんですね。そう考えると、これをデジタルに置き換えるっていうときに、プラスされる要素もあるけれど、失う要素もある気がして、絵本より衝撃度が減っちゃうんじゃないかって。電子書籍みたいな考え方で、絵本を電子書籍化するみたいなことだと、それはもう二次使用的な感じがして、わくわくしないなあと思った。
 
 
 
 そんないしかわさんの気持ちが変わったのは、アニメーションやBigPadでの展示の話が出た時でした。
 
 
 
 

 
 
 
いしかわさん:絵本では、質感のあるテクスチャーを出している。それぞれのものに微妙な質感があったりタッチがあったり。アニメーションっていうと、線画があってそこにベタ面で塗るっていうのが基本じゃないですか。それだとこの味は完全に消えちゃうなって思ったんだけど、そういうテクスチャー感みたいなものを全部残しながら動かしていくことができれば、それはまた絵本と違う価値がでてくるんじゃないかって思ったんですね。“動く絵画”みたいな感じっていうんですかね。絵が動いたら面白いなって昔から思っていたんで。
 
 
 
 
 絵本のデジタル化の話が進むにあたって、真っ先にいしかわさんの口から上がったのが本作「ふねくんのたび」でした。
  
 
 
いしかわさん:デジタルにしたことで別の魅力が出てくるって思えるものがいいなと思って。それがぼくの作った作品のなかでは「ふねくんのたび」が映像にしたときにいいんじゃないかって思ったんですね。というのも、この表紙を描いた時点で、このふねが煙をポッポッポッポと出しながらのんびり走ったら、気持ちいいだろうなっていうイメージが浮かんだんですね。それを自分が見てみたいなって。それが一番大きいかもしれない。
 
 
 
 
 そんな“動く絵画”の実現化に奮闘したのが、DNPの精鋭クリエイティブチームです。
紙の絵本をデジタル化することでどんな魅力的なことができるのかということに非常に興味があったと、吉岡さんは語ります。
 
 
 
 
吉岡さん:絵本っていうのはストーリーがあるわけですけど、画面画面は連続的じゃないわけですね。ただ連続的じゃない画面の中にもストーリーがあるわけで、そのページ間のストーリーをどう繋げていくかというのがポイントだったかなあと思っています。
 
 
 
 
 制作にあたって、いしかわさん本人の口から細かいところまでご指摘をいただき、満足のいく仕上がりまで何度も試行錯誤が行われたそうです。作品上映にあたっても、プロジェクターの特性上輝度が液晶に比べて落ちてしまうため、色や絵のタッチの再現性に留意した機種や投射する壁の選別に至るまで、徹底した吟味を重ねられました。さらに、立体的な音響効果を施し、より臨場感のある音像の探求が行われました。
 
 
 

 
 
 
 
 BigPad展示は、話し合いの中から生まれたアイディアが実現したものです。iPad上で作ったオリジナルのふねくんを、BigPad上に表示された港に浮かべることができる本作品は、「川や池に自分で作った船を浮かべるようなイメージ」で遊ぶことができると、いしかわさんは語ります。
 
この展示は子どもたちだけではなく大人たちにも人気がありますと、吉岡さん。中には、同じ船をたくさん港に浮かべて遊んでいるひともいたとか。
  
 
 

 アニメーションやBigPadなどを使用したデジタルの展示同様、今回の展示で大きく目を惹くのが会場全体に配置されるアナログ展示です。絵本の中に登場するふねや島の造形物は、こどもたちの注目の的になっています。
 
 
 
季里:まず、階段降りてきたと同時に絵本の世界にどーんと入りたいという気持ちがありまして、じぶんが絵本の中に入り込む世界を作りたいということで、二方向の壁、床を青くしたいということがありました。ドットDNPに来るお客様はまだ絵本が読めない1歳2歳のお子さんが多くて、その子どもたちにもいしかわさんの世界を楽しんでいただきたいということで、実際に触れる絵本の世界があるといいなと思いました。
 
 
 
「自分が子どもになってその世界に入っていきたい」と、とても満足げに語るいしかわさんがとても印象的でした。
 
 

 トークイベントの最後には、それぞれにとっての“デジタルえほん”とは何かについて語られました。登壇者みなさまに共通するのは、デジタルえほんというのは、今までにない新しい表現のひとつであるということでした。
  
 新しい表現の可能性と未来に対し、登壇者のみささまそれぞれが期待を寄せるかたちで、本トークイベントは終了しました。
 
 
  
 
 「ふねくんのたび」展では、もともとはひとつの絵本作品であったものを、空間、造形物、アニメーション、BigPadなどの様々なメディアで通して表現しています。
 
 展示までの道のりについて語られた本トークイベントを通して、登壇者のみなさんに共通しているのは“わくわく感”であったように感じました。
 
 
 
「絵本の中のふねくんが飛び出して動き出したらどうなるだろう」
 
「絵本の世界に実際に入り込めるような空間があったらどうだろう」
 
 
 そんなアイデアへのわくわくする気持ちと、そしてそれをなんとしても見てみたい!という気持ちが、クリエイターたちを制作へ駆り立てているのだと思います。
 
 
 当日参加された方にもそんなわくわくする気持ちを感じて頂けたなら幸いです。
 
 
 
 本展示を通して、さまざまなメディアを行き来した表現が生むわくわく感と、新しい表現としての“デジタルえほん”の可能性を感じてもらえたらと思います。
 
 
 
 
「ふねくんのたび」は9月28日までドットDNP地下1階デジタルえほんミュージアムにて開催中です。
 
 
ぜひ、ふねくんの世界を体験しに来て下さい。
 
 
(ほりあい)
 
 
 
いしかわこうじ「ふねくんのたび展」
会期:2013年6月10日〜2013年9月28日

休館日:日曜日

開館時間:10:00〜18:00
入場料:無料(カフェ、スペシャルワークショップ等、有料のものもございます)

会場:デジタルえほんミュージアム(ドットDNP内)
    
住所:〒162-0843
東京都新宿区市谷田町 1-14-1 DNP市谷田町ビル

HP:http://www.dnp.co.jp/dotdnp/

2013年8月9日