4月24日、ドットDNPとデジタルえほん企画によるトークイベント「デジタルえほんの未来を考える」が行われました。ご来場いただいた皆様、ありがとうございました!
今日は、当日の模様についてレポートしたいと思います。
「デジタルえほんの未来を考える」と題しました本トークイベント、第一回目である今回は「かお、が生まれるとき」をテーマに、5人の登壇者を迎えディスカッションが行われました。デジタルえほんとDNPによる共同制作アプリ「tap*rap」シリーズの誕生の経緯についてのお話や、ただいま5月18日までドットDNPにて行われております「tap*rapへんしん展」、そして期間中に行われたワークショップ開催について、それぞれのご登壇者様からお話いただきました。
デジタルえほんからは代表の石戸、ビジュアルプロデューサーの季里が登壇しました。ドットDNP様からは大日本印刷hontoビジネス本部吉岡康明様にご登壇いただきました。
さらに、本トークイベントのテーマでもある「顔」の研究をされている日本顔学会会長の原島博先生、tap*rapアプリの発案者でもある牧野泰才先生にお越しいただき、とても興味深いお話をたくさんしていただきました。
文学、美術、数理学など、さまざまな分野でご活躍される原島先生。iPadを用いた鮮やかなプレゼンテーションをしていただきました。
変化するモナリザの顔や、顔の足し算、原島先生自らが変身したエピソードなど、原島先生独自のユーモアを交えたお話は、会場に和やかな雰囲気を与えて下さいました。さらに、専門的な見地からのコメントもいただき、興味深いお話をたくさん聴かせていただきました。
“親ばか”を自称される牧野先生。慶応大学で触覚の研究をされています。お母さんにべったりなお子様の気を引くため、絵を使った遊びをしているうちに、かなりの数の動物の顔がスマイルマークをベースに書くことが出来ることに気づいたそうです。この発見が後にアプリの原案へと繋がっていきます。tap*rapアプリの誕生の背景には、このような子どもへの溢れる愛があったのでした。
デザインや展示、ワークショップについては、アートディレクターである季里から。子どもたちが楽しく、そして自らが作るということに参加できるアプリにするため、デジタルの特性を生かた様々な工夫が行われました。さらに、へんしん展やワークショップを通したアナログ体験が、デジタルの体験と組合わさることで生まれる立体的な広がりの重要性について、デジタルえほんに込めた思いと共に聞くことができました。
実際に行われたへんしん展やワークショップ当日は、大変なにぎわいだったとDNP吉岡さん。子どもたちのデジタルに対する敷居の低さや、アナログを用いた展示での子どもたちの発想の自由さに、たびたび驚かれたそうです。デジタルの技術が、上手にアナログと融合されることで生み出される創造的な未来についての思いが語られました。
第一回のテーマである「かお」をめぐって、アカデミックな視点やデザインの観点などから、様々な興味深いお話が伺えたかと思います。それぞれのご登壇者様のお話に共通していたことは、デジタルと子どもたちの未来に向けたあたたかいまなざしであったように思います。デジタルえほんが描き出す未来が、子どもたちにとって希望の光になるように、今後このトークイベントを通してデジタルえほんとは何か、そしてどうあるべきかについて考えていきたいと思っています。
(ほりあい)