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【えほん社の本棚 紙のえほん 032】「たこなんかじゃないよ」

 
 
 

こんにちは。
海の日を向かえましたね。
うみびらき、お祭り、なつがはじけはじめたようです。  

 

7月のテーマは、「うみ・そら・たいよう」。
きょうの一冊は、うみに住む生き物のおはなしです。
秋野和子さん文・秋野亥左牟さん絵
『たこなんかじゃないよ』です。 
 

『たこなんかじゃないよ』というタイトルに
まぎれもなく〈たこ〉が描かれている表紙。
どういうことかしらとえほんをめくっていきました。
 

みなみのうみのなか
たこは昼寝から目を覚まし、さんぽにでかけました。

にじいろざかながやって来るのを見つけると
たこはさんごにくっついて
「わたしはさんご
 わたしはさんご
 たこなんかじゃないよ」
さんごのいろに変身しました。

にじいろさかなが近づくと
あっというまに巻きつきました!

どうなるどうなる!
たこのおさんぽがどうなるか、ここではひみつにいたします。 
 
 

おはなしだけではなくて
色も模様も絵のタッチも、とってもすてきです。
砂の模様にとくにみとれてしまいました。  
 
 

たこは、さんぽに出かけたと思ったらうみに変身。
にじいろざかながやって来たらさんごに変身。
これは、魔法のお話ではありません。
すてきなおとぎ話でもありません。

たこの生命のおはなし。
生きるというおはなし。 

数ページのえほんだけれど
ずっしりと熱が伝わってくるのです。
ほんとうにすばらしいなと感じます。 
 

自由研究のきっかけになるかもしれないと思った1冊です。

(たねおい) 

 

たこなんかじゃないよ (こどものとも傑作集)

文: 秋野 和子
絵: 秋野 亥左牟
出版社: 福音館書店 (https://www.fukuinkan.co.jp
発行日: 1995年
ISBN: 9784834021103

2013年7月16日