こんにちは。
空がたかく、くもがすこし繊細になっていますね。
コオロギやスズムシの鳴き声に耳をすまして眠るこのごろです。
読書の秋、運動の秋、食欲の秋などと言われますが
どのような秋をお過ごしでしょうか。
さて、今月のテーマは〈たべもの〉。
たべもののなまえのついたかえるのお話をご紹介いたします。
及川賢治さん、竹内繭子さん作・絵
『グリンピースのいえ』です。
グリンピースという缶のふたからだれかが顔を出しています。
このおはなしの主人公、その名もグリンピースです。
この缶は、実はグリンピースのお家の玄関。
お家の中へとすすんでいくと
いいおとのするソファがあったり
たくさんの本があったり。
落ち葉の下には、グリンピースのすてきなお家がひろがっているのです。
冬のある一日のおはなしです。
わたしたちが楽器として指でならすピアノがソファになり
空き瓶がたからものとしてまいにち磨かれていて
タイヤがおふろになっているグリンピースのお部屋。
ページをめくるごとにわくわくして
グリンピースの目線のせかいを想像します。
よく見たことのあるものなのに
なぜこんなにもわくわくするのでしょう。
グリンピースがそのものとどんなふうに出会い
使い方を想像しているところを思い浮かべても
なんだかそれはとってもすてきなことのように思います。
にんげんの見ていないせかいは、こんなふうにひろがっているかもしれない。
そんなわくわくしたきもちになる一冊です。
(たねおい)
『グリンピースのいえ』
作: 及川 賢治 竹内 繭子
絵: 及川 賢治 竹内 繭子
出版社: 教育画劇 (http://www.kyouikugageki.co.jp)