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【えほん社の本棚 紙のえほん 037】『グリンピースのいえ』

 
 
 
 

こんにちは。
空がたかく、くもがすこし繊細になっていますね。
コオロギやスズムシの鳴き声に耳をすまして眠るこのごろです。
読書の秋、運動の秋、食欲の秋などと言われますが
どのような秋をお過ごしでしょうか。 
 

さて、今月のテーマは〈たべもの〉
たべもののなまえのついたかえるのお話をご紹介いたします。
及川賢治さん、竹内繭子さん作・絵
『グリンピースのいえ』
です。 

グリンピースという缶のふたからだれかが顔を出しています。
このおはなしの主人公、その名もグリンピースです。
この缶は、実はグリンピースのお家の玄関。
お家の中へとすすんでいくと
いいおとのするソファがあったり
たくさんの本があったり。
落ち葉の下には、グリンピースのすてきなお家がひろがっているのです。
冬のある一日のおはなしです。  
 

わたしたちが楽器として指でならすピアノがソファになり
空き瓶がたからものとしてまいにち磨かれていて
タイヤがおふろになっているグリンピースのお部屋。

ページをめくるごとにわくわくして
グリンピースの目線のせかいを想像します。

よく見たことのあるものなのに
なぜこんなにもわくわくするのでしょう。

グリンピースがそのものとどんなふうに出会い
使い方を想像しているところを思い浮かべても
なんだかそれはとってもすてきなことのように思います。 
 

にんげんの見ていないせかいは、こんなふうにひろがっているかもしれない。
そんなわくわくしたきもちになる一冊です。

(たねおい)
 
 

グリンピースのいえ
作: 及川 賢治 竹内 繭子
絵: 及川 賢治 竹内 繭子
出版社: 教育画劇 (http://www.kyouikugageki.co.jp

2013年10月15日