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えほん社の本棚 紙のえほん 022

 
 
 
こんにちは。
あったかいスープがしみる季節になりましたね。
風邪もはやっているようですので、みなさまお体お大事になさってください。

さて、今月のテーマは、ひきつづき「たべもの」です。
くり、さんま、さつまいも・・・のおいしい季節から
みかん、だいこん、かに・・・のおいしい季節へとうつってゆきますね。

きょうの一冊は、菱木晃子さん作スズキコージさん絵
『スウェーデン民話 くぎのスープ』
です。

ひどいおてんきの秋の夜、
ひとりの旅人が、おばあさんの家をたずねてきました。
「おうちに泊めていただけませんか。」
おばあさんは、しぶしぶ中に入れました。
おもてなしもせず、床を貸すのもくやしいおばあさん。
旅人が、くぎ一本でおいしいスープをつくるというので
おばあさんはどうしてもそのスープを食べてみたくて
水を入れたお鍋に火をかけます。
小麦粉もいれるともっとおいしいと言うので、
おばあさんは小麦粉も用意します。
そして・・・。

 
 
 
 

温度が感じられ、音が聞こえてきそうなスズキコージさんの絵と
テンポのよい菱木晃子さんのことば。
じぶんでページをめくっているのに加速していくようでした。

 

一度よみおわってから、またイラストだけ見ると
「ここはどんなところだろう。」と、むねがおどり
ひとつのページをながいこと眺めていました。

 
 

巧みなことばにおばあさんは、材料を用意したり、
しまいには御礼の硬貨まで渡してしまいます。

おばあさんは、だまされていたのか。
旅人は、だましていたのか。
おいしかったのか。

 

まほうのことばで生まれた
まほうのスープわたしもたべてみたくなりました。

 

さむいよるにおすすめの一冊です。

(たねおい)

 
 
 

くぎのスープ
作: 菱木 晃子
絵: スズキコージ
出版社: フェリシモ出版
http://www.felissimo.co.jp/ohanashino-takarabako/

2013年11月6日