こんにちは。
11月も指折り数えるほどとなりました。
あっという間に夕暮れを迎えるこのごろですね。
今月のテーマは、「たべもの」。
中川李枝子作、大村百合子絵の『ぐりとぐら』がきょうの一冊です。
ふたごののねずみぐりとぐらは
料理をすることとたべることがだいすき。
この日も、どんぐりやくりをかごいっぱいにひろって料理をしようと
森へ出かけました。
どんぐりをひろっていたら
みちの真ん中に、おおきなおおきなたまごが落ちていました。
あんまりおおきなたまごなので、
道具や材料を急いで持ってきて、森でかすてらをつくることにしました。
1963年『母の友』に読み切りのおはなしとして登場した『ぐりとぐら』。
このときから月日は50年経ちました。
(ちなみに、はじめは『たまご』というタイトルだったそうです。)
わたしの家には、おおきなおおきなお鍋があります。
おとな2人でやっと持てるくらいおおきな鍋です。
このお鍋を見たひとはそろって
「ぐりとぐらのカステラつくりたい!」とにこにこと言うのでした。
ある日、それではつくってみようと
みんなで知恵を出し合ってつくってみたのです。
おおきなお鍋はあるけれど、おおきな蓋がなかったものですから
きれいにひっくりかえすことはできませんでしたが
えほんのように、みんなで分け合ってたべました。
つくっているとき、3才のおとこのこが
「ぐりとぐらにおでんわしたの。これから、カステラ持ってきてくれるの。」
と、おしえてくれたことがこころに残っています。
いまも、えほんコーナーに『ぐりとぐら』はいて、
こどもがめくっている姿をみかけます。
3才のおとこのこも、あのせかいを知っています。
かつてこどもだったおとなたちも、あのカステラのおはなしをしています。
たくさんのこどもたちがともに過ごした一冊。
こんどはきれいにひっくり返せるように
また、知恵を出し合ってつくってみようと思います。
(たねおい)
『ぐりとぐら [ぐりとぐらの絵本] (こどものとも傑作集)』
作: 中川 李枝子
絵: 大村 百合子
出版社: 福音館書店(http://www.fukuinkan.co.jp/ninkimono/gurigura/)