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【デジタルえほんアワード受賞作品紹介】インタビュー:『めがねくんはちょうちょにあこがれる』(竜海中学校パソコン部 宇野侑佑くん 顧問:神谷耕一先生)

こんばんは。
 
 
本日は、前回に引き続きデジタルえほんアワード過去受賞者のインタビューをご紹介したいと思います。
 
 
本日ご紹介するのは、前回作品部門グランプリを受賞した『めがねくんはちょうちょにあこがれる』の作者である宇野侑佑くんと、宇野くんが所属する竜海中学校パソコン部の顧問である神谷先生のインタビューです。
 
 
数ある応募作品の中から見事に選ばれた中学生の作品である『めがねくんはちょうちょにあこがれる』は、「Flash」を使って制作されたデジタルえほん作品です。
 
 

 
 
この作品では、主人公であるめがねくんがある日ちょうちょに憧れを抱き、ちょうちょになれるように努力する姿が描かれています。
 
 
宇野くんのパソコン部での日々や、顧問である神谷先生の指導方法などの話を通して、
こどもとデジタルの“今”や、これからについて考えさせられるインタビューとなりました。
 
 
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《宇野侑佑くん、神谷先生インタビュー》2013/03/09(聞き手:高木浩子)
 
 
 
竜海中学校パソコン部のこと
 
 
−−今回、めがねはちょうちょにあこがれるという作品を作っていただいきましたけれど、なぜ作ろうと思ったのか、作る経緯を教えて頂けますか?
 
宇野:えーっと、まずパソコン部でアニメーションとか作ってるので、それの応募するために作ったものです。
  
——デジタルえほんアワードのことは知ってて、そのためにつくられたということですか?
 
宇野:今回は、最初に出そうと思っていたところに出せなくて。それで、まだこのデジタルえほんアワードが募集してたので。
 
——ああ、なるほど。デジタルえほんアワードを知ったきっかけって何でしたか?
 
宇野:先生に聞きました。
 
 

宇野侑佑くん(第二回デジタルえほんアワード表彰式にて)
 
 
——今回は部員のみなさんがたくさん作品を応募していただいたのですが、普段みなさんで一緒に作品を作っているんですか?
 
宇野:はい、毎日。
 
——放課後に?
 
宇野:はい。
 
——パソコン部では、アニメーションを作ったりする他にどんな活動をされているんですか?
 
宇野:プログラムを使ってゲームを作ったり。いまは文化祭に向けて3Dのカートのレースを作っています。
 
——すごいですね、一から自分でプログラミングして作る感じなんですか?
 
宇野:はい。まあ共有フォルダにある他の子がつくったものとかも使ったりして。
 
——なるほど。覚えるのは簡単でした?使いこなすまでにどれくらい時間ってかかりました?
 
宇野:えーっと。
 
神谷:3Dは最近やり始めたんだよね。その前まで組んでるプログラムはどうやって覚えたの?
 
宇野:先輩とかからいろいろ教えてもらって。あとは自分で作りたいプログラムを自分で組み合わせて。
 
神谷:分かんない時はどうしてたの?
 
宇野:先生、あとは部員の友だちとかに聞いて。
 
——みんなと協力しながら。
 
宇野:はい。
 
——すばらしいですね。プログラミングをやろうと思ったきっかけというか、何がきっかけでパソコン部に入部したんですか?
 
宇野:最初はゲームが好きで。この竜海中に入って、パソコン部があるのを知って。入部して、そこでいろいろアニメーションとかプログラムを作って、作りながらどういうふうにできているのか、っていうのが面白くて。
 
——その仕組みが知りたかったと。
 
宇野:はい。
 
 
作品が生まれるまで
 
 
——作品の話に戻るんですけれど、今回の作品のメッセージというものはありますか?
 
宇野:最後に、ものを大切にするっていうことが書いてあって、こどもにもものの大切さを伝えられればなあと。どんなものでも、綺麗になれるっていう。
 
−−めがねくんが努力してちょうちょになっていくお話だと思うんですけれど、ストーリーはどうやって考えたんですか?
 
 

 
 

 
 
宇野:最初はお母さんが、めがねが飛んだら面白いんじゃないって。
 
——お母さんと話しながら、アイディアが生まれて。
 
宇野:はい。で言われたあとにいろいろ考えてできたものです。
 
——どれくらいの期間で作ったんですか?
 
宇野:一ヶ月半か、二ヶ月くらいかな。
 
——すごいですね、いまの中学生は、環境が整っていていいですね。じゃあ、工夫した点だったりとか、大変だった点、楽しかった点、作品のおすすめポイントとか、ちょっといろんな面を教えて頂けますか?
 
宇野:まず、おすすめするところは、さっきも言ったように、ものを大切にするっていうところ。あと、物知り辞書っていう本を探すところで、自分の世界が入っているっていう風に作ったことと、あとは分岐点とかを作ったところ。
 
——大変だったところってある?
 
宇野:辞書を探すところで、そこでボタン操作をひとつひとつ作るのが時間がかかったりとか。あと、ボタンを押してめがねが飛ぶところ。
 
 

 
 

 
 
——ああいうインタラクティブな操作を入れるのも宇野君のアイディアですか?
 
宇野:あれはもともと先生がこういうのを取り入れたら、って。
 
神谷:物知り辞書は違うよ。先生は何も言ってないよ。
 
宇野:そうだ、分岐とかは作ったらって。
 
神谷:それは宇野君のだよ。まだ締め切りが来るまでは、もっといろいろできるんじゃないのって言って、あえて合格にしなかったんです。それで、自分たちで考えさせたんです。それじゃあどうするの?っていう感じで、こうしなさいとかはあんまり言ってないです。
 
——読み手のひとが参加できる参加型のデジタルえほんだなあって、そこが評価のひとつでした。
 
 
中学生とケータイ、パソコン
 
 
−−作品の話からは逸れるんですけれど、宇野君はパソコンやケータイを普段使ってると思うんですけど、いつ頃から使ってるんですか?
 
宇野:ケータイとかは小学三年生ぐらいから。
 
——そんなに早く!すごいですね。子どもケータイ?
 
宇野:はい、子どもケータイから。
 
——今は何を持っているの?
 
宇野:今は普通のケータイで。
 
——ガラケー?
 
宇野:はい。
 
——スマホにしたいとかは?
 
宇野:あります。
 
——(笑)
 
宇野:でもお母さんが、スマホはまだちょっといろいろなにか問題がいっぱいあるらしんですけど、それを全部解決したら買おうっていう。
 
——パソコンは持ってる?
 
宇野:買いました。
 
——いつ頃買ったの?
 
宇野:一週間前に。
 
——(笑)最近だね。
 
宇野:はい。
 
——じゃあ作品はずっと学校のパソコンで作ってたんですか。
 
宇野:はい。
 
——なるほど。これからそれで何をしたいですか?
 
宇野:高校になったら、それでアニメーションとかを作って投稿したいので、ソフトとかを入れて、いろいろ投稿したいです。
 
——いいですね。これからも続けてデジタルえほんを作っていきたい?
 
宇野:はい。
 
——他に何か作ってみたい作品とかってありますか?
 
宇野:ぼくはプログラムがやりたいので、ゲームとか。
 
——将来はプログラマーになるんですか?
 
宇野:はい。
 
——良いですね。ぜひがんばってください。
 
神谷:ちょっと教材みたいのは作ったりしたよね。
 
宇野:あ、数学を使ったシューティングのゲームを。
 
——そうなんですね。今回のデジタルえほんアワードの作品の中で、数学の問題をゲーム形式でやった作品もあったりして。デジタルえほんって絵本だけに特化したものではなくて、子ども向けのデジタル表現を総称してデジタルえほんって呼んでるんです。だから、今回グランプリだった『つなげっと』もゲームっぽくて、参加する人が楽しいものでしたね。
 
神谷:ああいうのを混ぜてもよかったのかもしれないですね。
 
 
“もっとこどもの創造力を発揮させる道具としてコンピュータを使いたい”
 
 

神谷耕一先生(第二回デジタルえほんアワード表彰式にて)
 
 
——じゃあ、次は先生にお話を伺いたいんですけれども。今回たくさんの部員の方にご応募いただいき、ありがとうございます。
 
神谷:これは大人がやるコンクールだからだめだろうって言いながら出した感じで。審査員のひとたちがこのメンバーの人たちなら、見てくれればいいやって。
 
——ありがとうございます。子ども向けのデジタル表現をデジタルえほんとして謳っているんですけれど、さっき茂木さんがおっしゃっていたみたいに、誰もがデジタルえほんを作れる時代であると思うので、中学生のみなさんにこうやって作品をご応募いただけたことは、すごく私たちにとってハッピーなことでしたし、作品自体すごく良かったので、こういう風に賞を授与させていただきました。普段はどういう活動をされているのか、先生からもお伺してもいいですか?
 
神谷:アニメーションとプログラムがメインです。でも、自分が今の学校のパソコン部の顧問になった時は、部員がパソコン室でインターネットでみちゃいけないページとかを見たりして遊んでて、パソコン部なのにパソコン室に入れてもらえませんっていう状態で。なぜそうなっちゃうのかっていうのは、たぶん目的がないからだと思うんです。で、本当は何をやりたいの?って聞いたら、できないと思うけど本当はアニメーションとかプログラムがやれたらいいなって言ってたので、それじゃあやろうかって。
それからフラッシュを入れてやり始めて。今は、子どもたちが3Dに挑戦したいですって言うので(笑)、無料のソフトをいくつかばーっと並べて、これは簡単で日本語だよ、これはいろんなことができるけど英語だよとか、全部条件を言って選ばせたんです。そしたら
この子たちは英語の一番難しいソフトを選んで。でもいまは頑張ってやれちゃってますよ。
 
——すばらしいですね。
 
神谷:英語は得意ですか?
 
宇野:苦手です。
 
——(笑)
 
神谷:プログラム組んでるのはいつも日本語ですか?
 
宇野:英語です。
 
——そうだよね。
 
神谷:でも今は組めちゃうもんね。
 
宇野:はい。
 
神谷:授業の英語とは何が違うの。
 
宇野:えーっと、楽しくないって感じ。
 
(一同笑)
 
神谷:英語の先生に聞かせられないな(笑)。プログラムの英語は楽しいの?
 
宇野:楽しいです。
 
神谷:自分も、コンピュータを使って学校でエクセルとかワードの使い方だけをやるのはのはちょっと違うかなって思っていて。うちの部活では、こどもが作りたいって言ったらそういうものができる、もっとこどもの創造力を発揮させる道具としてコンピュータを使いたいなって。今回ワークショップコレクションも見て、デジタルじゃないものもいっぱいあるんですけど、なんとなくそういうところで共通してるところがあるなって想いは感じました。
 
——まさにそれはうちの代表の石戸が目標とするところです。パソコンを、ツールとして表現活動に生かしていくという。
 
神谷:自分も実はキャンバスの活動をネットで何度か見させて頂いていて。
 
——そうなんですか、ありがとうございます。
 
神谷:石戸さんのインタビューも見ていて。だから、本当にそういう意味でも楽しみだったんです。自分は教育大学で、こんな大げさじゃないんですけど、何百人かこどもを呼んでこども祭りっていうのをやっていて。今日見ていて、今のパソコン部でのデジタルツールへの思いと、昔やってたこども祭りへの思いを両方感じながら、こんな規模の企画ができるんだな、すごいなあって思っていました。
 
——ありがとうございます。まさに、デジタルは表現方法の1つですからね。それが普段の子どもたちの日常の中に入っていければいいなって、こういった活動をやらせて頂いているんです。
 
神谷:本当にその通りなんです。アラン・ケイさんが、コンピュータリテラシーというのはプログラミングの能力のことで、こどもが自分で気軽に作りたいものを作って、それをみんなで共有できることだと言っていて。コンピュータとか、こういうデジタルデバイスの本当の意味はそこなのかなって思います。自分もiPhoneとか出る前に、昔マイクロソフトがウィンドウズモバイルというのをやってて、使いたいのを作ったりしていたんです。そんな風に、使いたいものを自分で作れるのっていいなって。これがもっと手軽にできる、そういうツールがもっと作られるといいのかなって思っていたんです。だから、日本中でそういうことができるって思いを持ったこどもたちが全国で繋がっていったら楽しいだろうし、日本も変わっていくきっかけになるかなあと。
 
——ひとつひとつの活動が大事だと思っています。なにか学校の授業で使われたとかはないんですか?
 
神谷:個人的には自分で作った教材を社会の授業で使うことがあったり、岡崎市でマルチメディアの自作教材を作っていたりしていて、そういうものを作ったりはしてるんですけれど、岡崎市は、子どもたちみんながタブレットのデジタル教科書をもってるっていう状況ではないですね。で、自分はデジタル教科書よりも、ノートを新しいかたちにしたいと思っているんです。教科書とかノートって前から順番に、っていう風になってるじゃないですか。頭の中の知識って、本当はネットワーク上の相関図みたいな感じで、立体構造で、あとから付け加えられたりするものだと思うんです。そういうのは、紙では表すことはできない。そんな、頭の中で考えるままどんどん付け足していけるような、立体的な構造を持つノートみたいなものができたら、新しいかたちのこどもの学習に役立つんじゃないかなと思います。
 
——そういう思考が大事なんだと思います、これからの時代。
 
神谷:黒板もそうなんですよね、こどもがいる前で言うのもあれなんですけど、板書計画っていうのがあって、ここにこれ書いてとか、始めから決まったものを書く予定が出来ちゃう。そうじゃなくて、やっぱり子どもの意見が出てきたら、本当はこどもたち同士の意見を動的に絡み合わせていける、そこに焦点をあてないといかんかなあと思っていて。ノートでも黒板でも、それがやれるのはデジタルじゃないかなあって。
 
——はい、そうだと思います。(宇野くんに)先生は厳しいですか?
 
宇野:かなり。
 
神谷:作品作るなら、締め切りの最後までさせた方が、やっぱりこどものためになるし、もっとこどもが考えるんじゃないかって思うんです。でもほっとくとやるんですよ、みんな。自分たちで考えなって言えば。考えて動けると思うので。学校はあんまり過保護になっちゃうといけないから。
 
——鍛えられてますね(笑)
 
神谷:いま一番頷いたね(笑)
 
——すばらしいと思います。良い先生に巡り会えて良かったですね。
 
宇野:はい。
 
神谷:言わされたね(笑)
 
——先生は、今後どういう活動をしていきたいとお考えですか?
 
神谷:この子たちがやりたいことをできるように、こないだは3Dやりたいって言ってたので、一応二十台分のパソコンにふたつのソフトを入れたんですが、まあそういう作業ですかね。
 
——環境整備というか、プラットフォーム作りというか。
 
神谷:そうですね、それはこどもたちに責任もって、自分たち同士で恊働してなにかつくりあげるっていうのをやって欲しくて。毎年文化祭の時は、最後が大変で、うまくいかないんですよ。みんなで一緒に作るとなると、個人で作るのとは違って、この部分は私が作ってこの部分はわたしが作ったら、やっぱりそうじゃないよ、とかなって。でも、それは将来のためにやらないといけない。みんなでコラボレーションしていく、一緒になにかを作り上げてく、個人だけで好きなもの作るだけじゃなくて。そういうことをこどもたちができるようにしたいなと思います。
 
 
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学校などの教育現場に限らず、こどもたちの生活の中にデジタルが持ち込まれることに関してはさまざまな議論が交わされていますが、純粋にプログラムに興味をもち、それに打ち込んでいる宇野くんの姿や、これからのこどもたちへの教育のためにデジタルの力を活かしたい願う神谷先生の言葉から、デジタルのもつポジティブな可能性を強く感じました。
 
デジタルえほんアワードでは、こどもたちの作品も募集しています。
プログラミングなどを使って作品を制作されているみなさんのご応募、
お待ちしております。
 
 
(ほりあい)
 
『めがねくんはちょうちょにあこがれる』
URL:http://www.oklab.ed.jp/ryukai/ehon10.html
 
 
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※デジタルえほんアワードでは応募作品を募集しています。
 
募集部門は、<企画部門><作品部門>の2つ。
 
こんなデジタルえほんがあったらいいなといったアイデアをお持ちの方は<企画部門>
 
ぜひわたしのデジタルえほんを見て欲しい!という方は<作品部門>にご応募下さい。
 
各部門グランプリには賞金20万円、準グランプリには5万円が贈呈されます。
 
ご応募いただいたものは、豪華8名の審査員によって審査されます。
 
応募締め切りは6月20日(金)。
 
皆様のご応募をお待ちしております!
 
 
詳細はデジタルえほんアワードオフィシャルサイトホームページをご覧下さい。
 
 
【第三回デジタルえほんアワード開催概要】
 
■ 募集部門 : 企画部門、作品部門
 
■ 募集期間 : 2014年4月8日(火)〜2014年6月20日(金)
 
■ 賞 典:企画部門グランプリ(賞金20万円)
     作品部門グランプリ(賞金20万円)
     企画部門準グランプリ(賞金5万円)
     作品部門準グランプリ(賞金5万円)
     各部門審査員特別賞 など
 
■ 審査基準
 
審査は以下の3つの要素に基づき行います。
 
・たのしい!
 (こどもたちを魅了し、夢中にさせる楽しさ)
・みたことがない!
 (これまで出会ったことのない新しい表現)
・世界がひろがる!
 (こどもたちの想像力・創造力を育み、世界を広げてくれるしかけ)
 
≪デジタルえほんとは?≫
タブレット、電子書籍リーダー、電子黒板・サイネージ、
スマートフォン等テレビやパソコン以外の新しい端末を含む
子ども向けデジタル表現を総称して「デジタルえほん」としています。
 
■ 審査員
※敬称略・五十音順
・いしかわ こうじ / 絵本作家
・角川 歴彦 / 株式会社KADOKAWA取締役会長
・香山 リカ / 精神科医・立教大学教授
・きむら ゆういち / 絵本作家
・小林 登 / 東京大学名誉教授・国立小児病院名誉院長
・杉山 知之 / デジタルハリウッド大学学長
・水口 哲也 / クリエイター・プロデューサー、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科(Keio Media Design)特任教授
・茂木 健一郎 / 脳科学者、ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー、慶應義塾大学研究特任教授
 
2014年7月開催の審査会を経て、2014年8月29日、30日開催の
ワークショップコレクション10」 (主催:NPO法人CANVAS)内にて
結果発表及び表彰式を行います。
 
 
主催:株式会社デジタルえほん、NPO法人CANVAS
 
協力:愛知県立大学情報科学共同研究所
   中京大学工学部宮田研究室
   デジタルハリウッド大学
   武蔵野美術大学
   東北芸術工科大学
   札幌メディアアーツラボ
   女子美術大学
   慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科
   東京大学大学院 情報学環・福武ホール
   東京コンテンツプロデュースラボ
   早稲田大学国際情報通信研究センター
 
■公式サイト
http://www.digitalehonaward.net

2014年6月11日
【デジタルえほんアワード受賞作品紹介】インタビュー:『ひとりぼっちのりく』(りく企画)

こんばんは。
 
 
第三回デジタルえほんアワードの締め切りが近づいています。
 
 
本日は、過去開催時に受賞された作者さんのインタビューをご紹介します。
 
 
えほん社は、前回のデジタルえほんアワード表彰式の後に、作者の方々にインタビュー実施しました。
 
 
本日は、第二回デジタルえほんアワード作品部門審査員特別賞を受賞した『ひとりぼっちのりく』の作者である、りく企画の木立じゅんこさんのインタビューをご紹介します。
 
 

 
 
『ひとりぼっちのりく』は、東日本大震災で被災してしまった一匹の犬が主人公のデジタルえほんです。
 
 
この作品の生まれた背景には、震災のあと、親として、大人として、こどもたちに何を伝えたらいいのかという、木立さんの真摯な思いがありました。
 
 
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《りく企画 木立じゅんこさんインタビュー》2013.3.9(聞き手:たねおいめぐみ)
 
 
 
 
絵本の誕生日プレゼント
 
 
——まず、なぜデジタルえほんをつくろうと思ったのか、というところからお伺いしたいなと思うんですけれども。
 
木立さん(以下敬称省略):なぜつくろうと思ったのでしょうね(笑)
 
−—もともとは紙のえほんを描かれたりしていたんですか?
 
木立:ああ、そうです。今回応募させていただいたのも、もともとはこどもの誕生日のためだったんです。
前回作った時は、長男の7才の誕生日で。今回の『ひとりぼっちのりく』は、家の犬の1才の誕生日の時のえほんなんです。
 
 

木立じゅんこさん(第二回デジタルえほんアワード表彰式にて)
 
 
−—では、もう何冊もつくられているんですか?
 
木立:はい。すごくたくさんというわけではないですけれども、6冊くらいかな。
 
——それは全てデジタルえほんというかたちで?
 
木立:いえ、紙に描いてそれをお誕生日プレゼントとして製本して。
製本の仕方っていう本が出てるんですよね。そういうのを見て、のりをつけてぎゅっとやって。
そこで、絵本をスキャナーにとって、簡単にそれを電子えほんにできるツールをネクストブックの方が無料で出してくださったんですね。これ使えば簡単に電子えほんになるね、じゃあやってみよう!って。
 
——じゃあ、デジタルえほんアワードに応募しようと思ったきっかけは何だったんですか?
 
木立:それは父ちゃん(旦那さん)がこんなのあるよ、出してみようよって言ってきて。じゃあ出してみようよって(笑)。
元々、家の人はアップルの製品を売ってる人間なので。それで、なにかで見たらしくて。私はどっちかというとずっとワークショップコレクションの方が気になってて、じゃあついでにと(笑)。
 
 
“こどもたちが大人になったときに、必ず残っていて欲しいんです。”
 
 
—ではお作りただいた作品についてお伺いしたいんですけれども。事前にいただいたエントリーシートで、今回の作品をお作りになったきっかけが書かれていたんですけれども、改めておうかがいしたいなと思いまして。
 
木立:ああ、はいはい。なんて書いたんでしたっけ。(笑)
 
——東日本大震災があり、というようなお話ですかね。
 
木立:ああ!ね。震災のときに、ボランティアさんがすごい時間もお金も体力も使って、犬猫の救出のためにがんばってらっしゃるのを、冊子でもらったんですよね。で、それを読んで息をのんでしまって。これをこどもたちにどう伝えたらいいのだろうと思ったんです。
 
——作品は、自分のお子さまのためのものになるんですよね、毎回。伝えたい方がはっきりいる上で作られている。
 
木立:そうですね。実際に津波があって、バアって流されていく映像がもろに画面に映ってしまって。こどもたちが岩手の三陸を旅したときに優しくしてくれたあのおばあちゃんたちも流されたって聞いて。
映像ってもろに目に入るじゃないですか。長男は、目に入った映像がすごい焼き付いてしまう人なので、止めてって言われて止めざるをえなくて。その被害の状況っていうのは、大人は刻々と今何が起きているっていうことは知っているんだけど、こどもには伝えきれなくて。
 
 

 
 

 
 
犬も9匹いたんですけど、9匹のうち8匹が死んだんです。あのひと(りく)だけが生き残って。お母さんもどうなったかもう分からない。もう飼い主さんもいない、兄弟も8匹みんな死んだってことを、なんでもショック受けてしまうこどもに、どう伝えたらいいのかなと。
 
——はい。
 
木立:それで、ちょうど1才の誕生日のお誕生日プレゼントというかたちで、ショックじゃないシーンだけにしてえほんにしてみようかなって。
でも、かなり削ったんです。ちょっとこどもには見せられないって。
途中で、海に燃えてる家が映ってるシーンがあったんですけれど、それはやめた方がいいんじゃないかなって。だから短くなってるんです。
 
 

 
 

 
 
−—読ませていただいたときに、辛いとか嫌な思い出みたいなところが全然蘇らなかったというか。
心が温まるじゃないですけれども、ほっとしたというか。その感想が適切か分かりませんが、そういう印象でした。

 
木立:それが一番うれしいです。ありがとうございます。そうおっしゃっていただけて。
 
——敏感なお子さんだと、私とまた受け取り方も違うかもしれませんね。
 
木立:そういう子には見せられないかもしれませんよね。でも、書かなければ忘れられてしまうことだし、犬の一生なんて短いし、そんな犬もいたね、ぐらいになってしまったら、起きたことが全部こどもの記憶から消えてしまう。
こどもたちが大人になったときに、必ず残っていて欲しいんです。
 
 
デジタルえほんをつくる
 
 
−−では、事前におうかがいしたいなと思っていたことをいくつか質問させていただければと思うんですが、今回作品を作るにあたって苦労した点とか、工夫した点とか、実現したいけどできなかった点などはありましたか?
 
木立:実現したいけどできなかったのは、もうどっさりです。例えば、ゴミの中で寝ているシーンは、動いて雪が降ってくればいいなとか、音をもっといれたかったなとか、声を入れたいとか。いろんなこと思うんですけど、それを録音するっていう技術もなくて。そのネクストブックさんが出してらっしゃるツールっていうのは、もっといろんなことができるんですけれども、それを全部消化して、それを反映させるにはもう手一杯で。
 
−−技術的に簡単に作れるツールなどが出ると、よりいろんな方が参加できますかね。
 
木立:そうですね。やりたいっていう気持ちの人はいっぱいいるんだと思います。
 
——先ほど、(デジタルえほんアワード表彰式で)茂木さんもおっしゃられていましたが、デジタルえほんはこどもに良くないって言われているけれど、そんなことないと。実際にお子さんがいらっしゃって、デジタルえほんというものをこどもが読むということに関してはどのようにお考えでしょうか。
 
木立:最近、下の子が目悪くなってきたので、近くで見てばっかりじゃなくて離してとは言ってるんですけど、どうなんですかね。いろいろ描いてみて、こんなの作ったんだけどう?って言うと、よその人は紙の絵本で見たいって言うんですね。画面をめくるのは面白くないそうなんです。紙の手触りでめくりたいと。それをこどもに伝えたいって、みんな思っているとこるがあるので、デジタルえほんにする場合はそれとは全然違うものじゃないとだめですよね、きっと。
でも、iPadの画面に星空が映るってだけでも、最初感動しませんでした?
新しいツールがあれば、どんどんいろんなことできておもしろいと思うんです。
 
−−紙のえほんとデジタルえほんは、全く別物かなと思っていて。新しい文化というか、また別の表現の媒体かなと思ってるんですけれども。
 
木立:そうですね。そう思います。さっきの宇野くん(作品賞受賞者)みたいに、そういう文化の中で育った人たちがもっともっとすごい発想をしていくんですよね、きっと。
 
 
“例えば無菌室の中にいて外に出られないようなこどもには、タブレットなら入れることができる”
 
 
——今のお話と繋がるかもしれないんですけれども、デジタルえほんに感じている可能性についておうかがいできたらと。
 
木立:全然違う話になるんですけれども、例えば無菌室の中にいて外に出られないようなこどもには、タブレットなら入れることができるので、すごくいろんなことができるかな、なんて思ったりします。
 
——たしかにそうですね。
 
木立:元々私たち、病院街の横に住んでいたので。清瀬とか、となりのトトロのお母さんが入院していた辺り、全部病院街なんですね。で、難病で外に出られないというこどもたちがいっぱい病院にいるじゃないですか。そういう人たちにとっては、特にこういうのが武器になるかななんて。
 
——本当ですね。
 
木立:この間、山寺宏一さんが宮城の方のこども病院で、アンパンマンでいっぱい楽しませてあげたんだよって聞いて。ボランティアで行かれたそうなんですけどね。そうやって来てくれたときはいいんだけれど、そうじゃない普段は、いろんなものを持ち込みたくてもバイ菌がついているといけないだとかあるときに、こういうのはとても便利ですよね。
 
 
“びっくり箱みたいなものをつくりたいと思いません?”
 
 
——では、これは最後のご質問にしようと思うんですけれども。これからまた次、ご自身の作品としてこんなのつくってみたいとか、技術的にできることが増えたらこんなの作ってみたいなとかありましたら、教えていただけますか。
 
木立:えーっと、写真とかいろいろ連動して、画面が思ったとおりに動くんじゃなくて、全然見てる人が思わないような動きができて、こどもがびっくりしたら面白いなあと。こどもたちをびっくりさせるのって、面白いじゃないですか。びっくり箱みたいなものをつくりたいと思いません?
 
——素敵ですね。
 
木立:普通に触ってて、予想した通りの動きをしたらつまらないじゃないですか。
 
−−こどもたちがどうやったら楽しいんだろうと、その通りに動けるように、ていう作品が比較的多いような気もしていて。こどもがいかに動かしやすいかとか、反応があるかとか、こども様じゃないですけれども、そういったものが多いかなと。
 
木立:そんなに上品じゃないので、こどもが嫌がること好きなんですよ(笑)
 
−−今のお話うかがって、「え!なんで?なんで?」というようなものに、こどもは前のめりに取り組むかもと思いました。
 
木立:例えば、お人形とか出して可愛く動かしてあげるよりは、端からそっと動かしてぱっと出すと、きゃーって逃げるじゃないですか。嫌がることが大好きなの(笑)
 
−−(笑)。お父さん、お母さんである方の目線で、こういったデジタルえほんなど作られていくと、いいものもできていくのではないかと思います。プロの方だけではなくて、様々な人が協力して作れたら。
 
木立:ああ、そうですね。おもしろいですね。さっきお父さんと、やっぱり大賞は会社の人だね、いろんなセクションで、チームとして仕事ができるからいいんだよ、って話していたんですけれども。いろんな人が集まって、1つのものつくれば面白いですよね。やることがすごく多すぎるから、分担しないと使った人が満足するものは難しいんでしょうね。
 
 
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インタビューを通して、木立さんの語る言葉のすべてから感じる事ができたのは、親として、大人として、こどもたちになにを伝えていけばいいのか、こどもたちにとって本当に良いものとは何なのか真剣に考える、暖かいまなざしなのではないかと思います。
 
 
デジタルえほんは、あくまでこれからの時代を生きるこどもたちの生活の一部にすぎません。
紙の絵本や、おもちゃと同様に、スマートフォンやタブレットなどのデバイスは、
おそらくこどもたちの生活の一部として当たり前に存在するものになるのではないかと思います。
 
 
そんな中で、こどもたちをわくわくさせたり、楽しませ、想像力を刺激するようなデジタルえほんがあれば、
それはひとつの豊かさと言えるのではないかと思います。
 
 
たくさんのヒントがつまった、暖かいインタビューでした。
  
 
第三回デジタルえほんアワードは、まだまだエントリーを募集しています。
デジタルえほんをテーマに、みなさんのアイデアやこどもたちへの思いを応募してみませんか?
 
 
みなさんのご応募をお待ちしています。
 

(ほりあい)
 
 
『ひとりぼっちのりく』
販売元: Shigeru Kidachi © LIKU version 1.0, Copyright 2012 Liku kikaku.
価格:¥100
互換性: iOS 3.2 以降。 iPhone 3GS、iPhone 4、iPhone 4S、iPhone 5、iPhone 5c、iPhone 5s、iPad、iPod touch(第3世代)、iPod touch (第4世代)、およびiPod touch (第5世代) に対応。
URL:https://itunes.apple.com/jp/app/hitoribotchinoriku/id505044981?mt=8
HP:http://likukikaku.web.fc2.com/Support_page/liku_kikaku.html
 
 
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※デジタルえほんアワードでは応募作品を募集しています。
 
募集部門は、<企画部門><作品部門>の2つ。
 
こんなデジタルえほんがあったらいいなといったアイデアをお持ちの方は<企画部門>
 
ぜひわたしのデジタルえほんを見て欲しい!という方は<作品部門>にご応募下さい。
 
各部門グランプリには賞金20万円、準グランプリには5万円が贈呈されます。
 
ご応募いただいたものは、豪華8名の審査員によって審査されます。
 
応募締め切りは6月20日(金)。
 
皆様のご応募をお待ちしております!
 
 
詳細はデジタルえほんアワードオフィシャルサイトホームページをご覧下さい。
 
 
【第三回デジタルえほんアワード開催概要】
 
■ 募集部門 : 企画部門、作品部門
 
■ 募集期間 : 2014年4月8日(火)〜2014年6月20日(金)
 
■ 賞 典:企画部門グランプリ(賞金20万円)
     作品部門グランプリ(賞金20万円)
     企画部門準グランプリ(賞金5万円)
     作品部門準グランプリ(賞金5万円)
     各部門審査員特別賞 など
 
■ 審査基準
 
審査は以下の3つの要素に基づき行います。
 
・たのしい!
 (こどもたちを魅了し、夢中にさせる楽しさ)
・みたことがない!
 (これまで出会ったことのない新しい表現)
・世界がひろがる!
 (こどもたちの想像力・創造力を育み、世界を広げてくれるしかけ)
 
≪デジタルえほんとは?≫
タブレット、電子書籍リーダー、電子黒板・サイネージ、
スマートフォン等テレビやパソコン以外の新しい端末を含む
子ども向けデジタル表現を総称して「デジタルえほん」としています。
 
■ 審査員
※敬称略・五十音順
・いしかわ こうじ / 絵本作家
・角川 歴彦 / 株式会社KADOKAWA取締役会長
・香山 リカ / 精神科医・立教大学教授
・きむら ゆういち / 絵本作家
・小林 登 / 東京大学名誉教授・国立小児病院名誉院長
・杉山 知之 / デジタルハリウッド大学学長
・水口 哲也 / クリエイター・プロデューサー、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科(Keio Media Design)特任教授
・茂木 健一郎 / 脳科学者、ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー、慶應義塾大学研究特任教授
 
2014年7月開催の審査会を経て、2014年8月29日、30日開催の
ワークショップコレクション10」 (主催:NPO法人CANVAS)内にて
結果発表及び表彰式を行います。
 
 
主催:株式会社デジタルえほん、NPO法人CANVAS
 
協力:愛知県立大学情報科学共同研究所
   中京大学工学部宮田研究室
   デジタルハリウッド大学
   武蔵野美術大学
   東北芸術工科大学
   札幌メディアアーツラボ
   女子美術大学
   慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科
   東京大学大学院 情報学環・福武ホール
   東京コンテンツプロデュースラボ
   早稲田大学国際情報通信研究センター
 
■公式サイト
http://www.digitalehonaward.net

2014年6月5日
【デジタルえほんアワード受賞作品紹介】『おっきいの ちっさいの』

 
 
こんばんは。
 
 
昨日に引き続き、過去開催時の受賞作品をご紹介したいと思います。
 
 
本日は、第二回デジタルえほんアワード企画部門審査員特別賞を受賞した、アマゾンラテルナさんの『おっきいの ちっさいの』をご紹介します。
 
 

 
 
『おっきいのちっさいの』は、スマートフォンやタブレット端末の機能として大きな特徴である、
ピンチアウトとピンチインを利用した参加体験型デジタルえほんの企画です。
 
 

 
 

  
 
本作品のストーリーは、大きなぞうさんとちいさなねずみさんが、それぞれ贈り物をするというもの。
指でピンチイン、ピンチアウトして、プレゼントを大きくしたり、小さくすることができます。
 
 
受賞後の方のコメントをご紹介します。
 
 
この度は素敵な賞を頂き、本当にありがとうございました。デジタルだからこそ出来る絵本、と考えていたとき、ふと頭に浮かんだのは「ピンチ」という動きでした。「おっきいの ちっさいの」では、自分で絵本に登場するモノの大きさを「ピンチ」で変化させ、お話を展開させていきます。能動的に参加するコンテンツが当たり前になっていくなかで、いかにそれを自然な形でストーリーに組み込めるか、それがこれからのデジタル絵本の課題なのかなと思います。いつかこの絵本がちゃんと皆様の指先へお届け出来るよう、完成させたいと思います☆
 
 
鑑賞する作品である紙の絵本に対し、デジタルの機能によって作品に参加することができるのが、
デジタルの強みを活かしたデジタルえほんの魅力でもあり、これからの可能性なのではないかと思います。
 
 
審査員の方からは、以下のようにコメントをいただきました。
 
 
子供たちが絵本とやりとりができるというデジタルえほんの良さを生かしている。動物や物の大きさは絵本の定番の題材である。それを現在のタブレット端末などで標準的な機能である「ピンチイン」、「ピンチアウト」を効果的に使って表現している。今回の象と鼠だけでなく、シリーズ化も考えられる。良い企画である。(デジタルハリウッド大学学長/杉山知之)
 
 
デジタルを用いた表現の面白さは、まだまだ開拓の余地がたくさん残されています。
 

“デジタル×こども”という観点で、新たなデジタルえほんが生まれる可能性を、
 
私たちはデジタルえほんアワードを通して模索していきたいと思っています。
 
 
ぜひ、みなさまのアイデアを企画部門にご応募ください。
 
 
(ほりあい)
 
 
————————————————————— 
 
※デジタルえほんアワードでは応募作品を募集しています。
 
募集部門は、<企画部門><作品部門>の2つ。
 
こんなデジタルえほんがあったらいいなといったアイデアをお持ちの方は<企画部門>
 
ぜひわたしのデジタルえほんを見て欲しい!という方は<作品部門>にご応募下さい。
 
各部門グランプリには賞金20万円、準グランプリには5万円が贈呈されます。
 
ご応募いただいたものは、豪華8名の審査員によって審査されます。
 
応募締め切りは6月20日(金)。
 
皆様のご応募をお待ちしております!
 
 
詳細はデジタルえほんアワードオフィシャルサイトホームページをご覧下さい。
 
 
【第三回デジタルえほんアワード開催概要】
 
■ 募集部門 : 企画部門、作品部門
 
■ 募集期間 : 2014年4月8日(火)〜2014年6月20日(金)
 
■ 賞 典:企画部門グランプリ(賞金20万円)
     作品部門グランプリ(賞金20万円)
     企画部門準グランプリ(賞金5万円)
     作品部門準グランプリ(賞金5万円)
     各部門審査員特別賞 など
 
■ 審査基準
 
審査は以下の3つの要素に基づき行います。
 
・たのしい!
 (こどもたちを魅了し、夢中にさせる楽しさ)
・みたことがない!
 (これまで出会ったことのない新しい表現)
・世界がひろがる!
 (こどもたちの想像力・創造力を育み、世界を広げてくれるしかけ)
 
≪デジタルえほんとは?≫
タブレット、電子書籍リーダー、電子黒板・サイネージ、
スマートフォン等テレビやパソコン以外の新しい端末を含む
子ども向けデジタル表現を総称して「デジタルえほん」としています。
 
■ 審査員
※敬称略・五十音順
・いしかわ こうじ / 絵本作家
・角川 歴彦 / 株式会社KADOKAWA取締役会長
・香山 リカ / 精神科医・立教大学教授
・きむら ゆういち / 絵本作家
・小林 登 / 東京大学名誉教授・国立小児病院名誉院長
・杉山 知之 / デジタルハリウッド大学学長
・水口 哲也 / クリエイター・プロデューサー、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科(Keio Media Design)特任教授
・茂木 健一郎 / 脳科学者、ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー、慶應義塾大学研究特任教授
 
2014年7月開催の審査会を経て、2014年8月29日、30日開催の
ワークショップコレクション10」 (主催:NPO法人CANVAS)内にて
結果発表及び表彰式を行います。
 
 
主催:株式会社デジタルえほん、NPO法人CANVAS
 
協力:愛知県立大学情報科学共同研究所
   中京大学工学部宮田研究室
   デジタルハリウッド大学
   武蔵野美術大学
   東北芸術工科大学
   札幌メディアアーツラボ
   女子美術大学
   慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科
   東京大学大学院 情報学環・福武ホール
   東京コンテンツプロデュースラボ
   早稲田大学国際情報通信研究センター
 
■公式サイト
http://www.digitalehonaward.net

2014年6月1日
【デジタルえほんアワード受賞作品紹介】『話せる絵本 どうぶつほうもん』

こんばんは。
 
 
絶賛エントリー募集中の第三回デジタルえほんアワードですが、
応募〆切の6月20日まで、残すところあと一ヶ月を切りました。
 
 
本日は、過去開催時の受賞作品をご紹介したいと思います。
 
 
本日は、第二回デジタルえほんアワード企画部門グランプリを受賞した、佐藤ねじさんの『話せる絵本 どうぶつほうもん』をご紹介します。
 
 

 
 
「絵本と話せることができたら楽しいかもしれない」、という発想から生まれたこの企画作品は、
トランシーバーのように、離れたところからお父さんやお母さんが、
タブレットの絵本の中の動物たちの役になって子どもと会話することができるデジタルえほんの企画作品です。
 
 

 
 

 
 

 
 
まずは、企画書に描かれた壁に隠れてこっそり電話をするお父さんの絵に、
思わずクスりとさせられます。
 
通信ができるというデジタル端末ならではの機能が、
ユーモアたっぷりに活かされているのが、この作品の大きな特徴です。
 
  
審査員の方のコメントをご紹介します。
 
 
子供が話しかけるとリアルタイムにキャラクター(=親)が反応する、という発想には、審査員の多くが微笑んだ。子供から連絡があった時の、親の反応(しかもいろいろなシチュエーション…仕事中とか、買い物中とか)を想像すると微笑ましい訳だが、子の心と親の心をつなげることも、絵本の大事な役割と考えれば、このようなデジタル絵本のアイデアもアリだということなのだ。過去の絵本の枠を飛び越えるようなアイデアを、もっともっと期待したい。(クリエイター/プロデューサー/水口哲也)
 
 
なにより作品を通して親子のコミュニケーションが生まれるのが、この「話せる絵本」の魅力なのではと思います。
 
 
作者の佐藤ねじさんには、受賞後にコメントをいただきました。
 
 
このたびは、企画賞を頂きありがとうございました。もうすぐ2歳になる子どもといっしょに絵本を読んでいると、その絵本の中にある野菜を僕に食べさせてくれたり、絵本の中の動物に声をかけてみたり、子どもの想像力はほんとに自由で驚かされます。そんな経験から、その絵本の中の動物と実際に会話できる絵本があったら面白いなと思っていました。今回は、企画書として提出しましたが、この案は実際にアプリとして作ろうと思っています。また完成した際には、実際にお使いいただけたら幸いです。
 
 
佐藤ねじさんのお父さんとしての目線が、この作品が生まれたきっかけのようです。
 
 
佐藤ねじさんは実際にクリエイターとして活動されていますが、
本企画のように、お父さんやお母さんとしての目線が、
こども向けの表現であるデジタルえほんのアイデアが生まれるきっかけとなるのではないかと思います。
 
 
企画、といって肩肘張ることなく、
普段から、お子さんのためにあったらいいなと思っていることを、
デジタルえほんのアイデアとして応募してみませんか?
 
 
みなさまのご応募をお待ちしております。
 
 
(ほりあい)
 
 
————————————————————— 
 
※デジタルえほんアワードでは応募作品を募集しています。
 
募集部門は、<企画部門><作品部門>の2つ。
 
こんなデジタルえほんがあったらいいなといったアイデアをお持ちの方は<企画部門>
 
ぜひわたしのデジタルえほんを見て欲しい!という方は<作品部門>にご応募下さい。
 
各部門グランプリには賞金20万円、準グランプリには5万円が贈呈されます。
 
ご応募いただいたものは、豪華8名の審査員によって審査されます。
 
応募締め切りは6月20日(金)。
 
皆様のご応募をお待ちしております!
 
 
詳細はデジタルえほんアワードオフィシャルサイトホームページをご覧下さい。
 
 
【第三回デジタルえほんアワード開催概要】
 
■ 募集部門 : 企画部門、作品部門
 
■ 募集期間 : 2014年4月8日(火)〜2014年6月20日(金)
 
■ 賞 典:企画部門グランプリ(賞金20万円)
     作品部門グランプリ(賞金20万円)
     企画部門準グランプリ(賞金5万円)
     作品部門準グランプリ(賞金5万円)
     各部門審査員特別賞 など
 
■ 審査基準
 
審査は以下の3つの要素に基づき行います。
 
・たのしい!
 (こどもたちを魅了し、夢中にさせる楽しさ)
・みたことがない!
 (これまで出会ったことのない新しい表現)
・世界がひろがる!
 (こどもたちの想像力・創造力を育み、世界を広げてくれるしかけ)
 
≪デジタルえほんとは?≫
タブレット、電子書籍リーダー、電子黒板・サイネージ、
スマートフォン等テレビやパソコン以外の新しい端末を含む
子ども向けデジタル表現を総称して「デジタルえほん」としています。
 
■ 審査員
※敬称略・五十音順
・いしかわ こうじ / 絵本作家
・角川 歴彦 / 株式会社KADOKAWA取締役会長
・香山 リカ / 精神科医・立教大学教授
・きむら ゆういち / 絵本作家
・小林 登 / 東京大学名誉教授・国立小児病院名誉院長
・杉山 知之 / デジタルハリウッド大学学長
・水口 哲也 / クリエイター・プロデューサー、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科(Keio Media Design)特任教授
・茂木 健一郎 / 脳科学者、ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー、慶應義塾大学研究特任教授
 
2014年7月開催の審査会を経て、2014年8月29日、30日開催の
ワークショップコレクション10」 (主催:NPO法人CANVAS)内にて
結果発表及び表彰式を行います。
 
 
主催:株式会社デジタルえほん、NPO法人CANVAS
 
協力:愛知県立大学情報科学共同研究所
   中京大学工学部宮田研究室
   デジタルハリウッド大学
   武蔵野美術大学
   東北芸術工科大学
   札幌メディアアーツラボ
   女子美術大学
   慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科
   東京大学大学院 情報学環・福武ホール
   東京コンテンツプロデュースラボ
   早稲田大学国際情報通信研究センター
 
■公式サイト
http://www.digitalehonaward.net

2014年5月31日