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【えほん社の本棚 紙のえほん No.15】「ぐりとぐらのえんそく」


(なかがわりえこ:作 やまわきゆりこ:絵 福音館書店:出版)

こんにちは。
3月になりましたね。
風がつよく吹いたり、雨が降ったり、
冬と春がよせてはかえし、
すこしずつ春がやって来ていることを感じます。
みなさまの町は、いかがでしょう。

3月のテーマは、「春」です。
「春と言えば」と思いつくものを題材にしたえほん、
春を感じさせてくれるえほん、
春に関するえほんをご紹介させていただこうと思います。

なかがわりえこさん作やまわきゆりこさん絵
「ぐりとぐらのえんそく」です。

双子ののねずみ、ぐりとぐらのお話です。

いいそよ風が吹いていそうな、
気持ちの良さそうな、
そんな日にぐりとぐらは野原へ行きました。

のはらに着いたけれど、
お昼ごはんの時間に鳴る目覚まし時計は
まだまだ鳴りそうにありません。

お昼になるまで何をしようと考えて、
1・2・3・4と、たいそうをしたり
よういどんと、マラソンをしたり。

とちゅうでつまづいてしまうぐりとぐら、
つまづいた原因となった毛糸をぐるぐると転がしていった先には・・・。

「ぐりとぐらのえんそく」では、
お弁当をたべるシーンも、素敵です。

お弁当のことを考えていたら、お花見のことを思い出しました。
昨年、お花見をしたとき、
50人前のパエリアをおおきなパエリアパンで行ないました。
ともだちは、はるばる遠くからやって来てくれました。
隣でお花見をしていたこどもも、おとなも、集まって
みんなでパエリアをたべました。

ごはんをみんなで囲んで食べることは、
なにかの魔法のようで、
はじめましての緊張もすっかり溶かしてくれますね。

今年の桜はいつごろ咲くでしょうね。

「ぐりとぐらのえんそく」を読んでいると、
春になったらなにをしようというわくわくした気持ちが湧いてきます。

作: 中川 李枝子
絵: 山脇 百合子
出版社: 福音館書店 (http://www.fukuinkan.co.jp
税込価格: ¥840(本体価格:¥800)
発行日: 1983年3月5日
ISBN: 9784834008920

2013年3月5日
【えほん社の本棚 紙のえほん No.14】「そりあそび」

こんにちは。
2月もあと、すこし。
「雪・冬」をテーマに紹介する紙のえほんは、最後の週となりました。
素敵な素敵な憧れのおばあちゃんのシリーズから1冊ご紹介させていただこうと思います。

さとうわきこさんばばばあちゃんシリーズより、「そりあそび」です。

つめたい雪の降る日。
こいぬやきつね、こねこ、うさぎなど、 
どうぶつのこどもがばばばあちゃんの家のストーブの前にふるえながらとびこんできます。

ばばばあちゃんは、言うんです。
いい わかもんが だらしねえ。

そして、ばばばあちゃんは、みんなをつれて、 
ほんとの冬のあったまりかたを感じるために、あることをするのです。

 

ばばばあちゃんを読んでいると、
深くうなづいたり、まねしたいと思う場面がいくつもあります。

例えば、
ベッドが壊れてしまいます。
ばばばあちゃんは、困ったり、怒ったりしません。
さて、そこからどうするか考えるのです。
そうして、ばばばあちゃんは壊れたベッドのあしを短く切り始めます。

 

こどもと同じように、先のことばかり考えずに、
そこであきらめなかったり、工夫したり。
へっちゃらなばばばあちゃんに、心底憧れてしまいます。

 

お母さん、お父さんには、
こどもと接するヒントを得るえほんになるかもしれません。

こどもには、
いっしょに遊びたくなるえほんになるかもしれません。
ばばばあちゃんの言うことに、しっかり耳をすますのではないでしょうか。

 

家を住み開き、こどもが集まるばばばあちゃんの家。
ずっと先になるかもしれませんが、
こんなばあちゃんになれたらいいなと思うのです。

いつまでも古くならない素敵なえほんではないでしょうか。
(たねおい) 

作・絵: さとう わきこ
出版社: 福音館書店(http://www.fukuinkan.co.jp
税込価格: ¥840(本体価格:¥800)
発行日: 1994年10月15日
ISBN: 9784834012705

2013年2月26日
デジタルえほん関連ニュース

こんにちは!
全国のワークショップが集まる「ワークショップコレクション9th」にて、
国際デジタルえほんフェアを開催致します!
気になるアプリを触れるチャンス!?ぜひお越し下さいね。
それでは、今週の気になる記事をご紹介します。

 

■プレスリリースゼロ 2月20日
子供向けデジカメ「キッズカメラ」カタログ&通販アプリ『KidsCamera ShopCatalog』 AppStoreにてリリース!

■ある自閉症児の成長記録・パンダノート 2月13日
支援が必要な子ども向けのiPadアプリ/セミナー資料の掲載

■たのしいiPhone!AppBank 2月21日
自由に町を作りミニカーを走らせて遊ぶ子ども向けアプリ。無料。

■Google Play の Android アプリ 2月21日
子ども向けジグソーパズル LITE

■Munch 150 2月21日
「ムンクを発見」子ども青少年向けデジタル・ワークショップ

■赤ちゃんブログ 2月21日
ブロックの知育玩具は子育てに良い?大学や企業・JAXAでも取り入れる

 
 
当日は様々なワークショップが目白押し!
ご家族でぜひぜひ~♪
(事務局)

2013年2月25日
【えほん社の本棚 デジタルえほん No.13】「歩き屋フリルとチョコレートきしだん」

こんにちは。
近ごろ、夕方になると、むしゃむしゃとチョコレートを食べてしまいます。
冬限定チョコレートなどたくさん並んでおりますよね。
野菜や果物は実るときが旬ですが、
チョコレートは、溶けにくい冬がたべる旬かもしれませんね。

「冬・雪」をテーマにお届けしている2月。
きょうは、「チョコレート」がタイトルに含まれている
デジタルえほんをご紹介させていただきます。

2月17日に発売されたばかりの、
「歩き屋フリルとチョコレートきしだん」です。

歩いて町の不思議なことを探すことが好きな女の子フリル。
フリルは、みんなから歩き屋フリルと呼ばれていました。
ある日、素敵な鏡を見つけ、フリルはお母さんに見せました。
けれども、お母さんは、宿題もせず、部屋を散らかしたままのフリルに怒っていて、
鏡のはなしを聞いてくれませんでした。
フリルは、喜んでもらえず、かなしい気持ちになって、町へとびだすのです。

歩いていると、タルの中にいた大きなじゅうたんに出会います。
ここからフリルの冒険がはじまっていくのです。

「天空の城ラピュタ」「火垂るの墓」「もののけ姫」などの
スタジオジブリ作品をはじめとする
アニメ作品の美術監督として数々の名作に携わり、
日本を代表するアニメーション背景画家・美術監督である
山本二三さんの絵が、なんとも素敵です。
ここまで〈絵の力〉がつよいデジタルえほんに、
なかなかまだ出会ったことがありません。

お話がはじまる前に、設定をすることができます。
・文章のむずかしさ (3〜5才向け/6〜8才向け)
・読みあげのあり/なし
・文章表示のあり/なし
・音楽のあり/なし

文章のむずかしさの設定では、ひらがなと漢字の違いのみならず、
文章自体も異なりました。
6〜8才向けより3〜5才向けの方が、
より分かりやすく説明がされています。

読みあげと文章表示をなしにすると、
絵と音楽のみになります。
こどもといっしょに、
じぶんたちで物語をつくってみてもおもしろそう
だなと感じました。

これまでのデジタルえほんの中でも、
余白を感じることのできるデジタルえほんであると思います。

それぞれの楽しみ方を見つけて、読んでいただけるのではないでしょうか。
(たねおい)

『歩き屋フリルとチョコレートきしだん』
発売日: 2013年2月17日(日)
販売元: CUCURI Co., Ltd.© CUCURI
価格: 450円
条件:iPhone 3GS、iPhone 4、iPhone 4S、iPhone 5、iPod touch(第3世代)、iPod touch (第4世代)、iPod touch (第5世代)、およびiPad に対応。 iOS 3.2 以降が必要
URL:
https://itunes.apple.com/jp/app/id596670213?l=ja
公式HP: http://www.cucuri.co.jp/furiru_product.html

2013年2月20日
【えほん社の本棚 紙のえほん No.13】「やぁゆきだるま!」

今朝、玄関をあけたら、雪がちらついていて、
天気予報を見ていなかったので、驚いてしまいました。
読んでくださっているみなさまの街にも、雪は降ったでしょうか。

いわゆる雪国と言われるところでは、
ニュースにならないくらいにあたりまえで、
東京よりずっとたくさん積もっているのですよね。

身近にあるかどうかで、感じ方が異なりますね。

「冬・雪」をテーマにした今月。
きょうは、まねしたくなるわくわくするゆきだるまのえほん
ご紹介しようと思います。

ロイス・エイラトさん「やぁゆきだるま!」です。

雪が降ってきて鳥たちは、
ゆきだるまをつくる材料を準備して、
パパゆきだるま、ママゆきだるまとさまざまなゆきだるまを作っていく
というストーリー。

登場人物やゆきだるまは、
それぞれ、鉛筆貝殻ピーナツいちごなどを
組み合わせて作られています。

色とりどりで、ひとつひとつがとっても素敵です。

また、構成がとってもユニークです。

まず、おはなし
次に、おはなしに使った材料の説明
それから、雪とはなにかの説明
そして、雪はどうして降るのかの説明と
    あらゆる素敵な実際のゆきだるまの写真たち

さいごに、なんとポップコーンで作るゆきだるまのレシピ!

こんなえほん、見たことないとわくわく読みすすめました。

コラージュを使った造形えほんというだけでも、
見て新鮮なきもちになるのに、
レシピまであるなんて、予想できませんでした。

 

どのページもわくわくしますが、
おはなしに使った材料の説明のページでは、
どんな材料が使われていたかが
見開きいっぱいに並べて、紹介されていて魅力的でした。

 

〈こんなものも材料になるんだ!〉
〈いちごは、お鼻のカタチに見える〉
〈ねじを口にすると、無口みたい〉

と、
ものの見え方や捉え方の可能性をぐーんと広げてくれる
きっかけになるえほんだなと感じました。

なんどめくっても、わくわくがとまりません。

雪の降る街、降らない街どちらでも、
お家でゆきだるまを作りたくなるようなえほんです。
(たねおい) 

作・絵: ロイス・エイラト
訳: ふじさき なおこ
出版社: 偕成社 (http://www.kaiseisha.co.jp
税込価格: ¥1,680(本体価格:¥1,600)
発行日: 1997年
ISBN: 9784033277301

2013年2月19日