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【えほん社の本棚 紙のえほん No.5】「クリスマスをさがして」

 
 
メリークリスマス!
12月は「クリスマス」をテーマにえほんをご紹介させていただいておりました。
紙のえほんは、きょうが最後の一冊。

T・S・ハイマン「クリスマスをさがして」をご紹介させていただきます。

「クリスマスってなんだろう?」
ずっとむかし、クリスマスを見たことも聞いたこともない
ちいさな女の子がいました。
偶然出会ったおばあさんに聞いたクリスマスというものが 
どんなものか知りたくて、 
女の子はいよいよクリスマスをさがしに行くのです。

心やさしいネコ、かなしそうな顔のイヌ、
するどい声のタカ、かしこそうなキツネ、
なきまねのうまいマネシツグミ、
途中で出会ったみんなもクリスマスのことをだれも知りません。 

「どんな触り心地だろう?」
「どんなにおいだろう?」
「どんなカタチ・色をしているだろう?」
「どんな味だろう?」
「どんな音がするだろう?」

みんなでいっしょにクリスマスをさがします。
 

「クリスマスをさがして」とわたしが出会ったのは、高校の図書室。
その頃はあまり本も読まず、図書室という空間がとても苦手でした。
けれども、どういうきっかけかちょうど今くらいのある日、
クリスマス特集をしている図書室でこのえほんに出会いました。 

ふっと手に取り、立ったままページをめくり、 
ぐんぐんと物語のせかいへ。 

読み終わり、 
「このえほんをいつか買おう」とタイトルや著者名、出版社名を 
近くにあるものにいそいでメモしたことを覚えています。
ずっとじーんとしたものが心に残るはじめての感覚でした。
大学生になり、えほんを探したとき、
絶版だということを知りとってもがっかりしたのですが、
幸せなことに再び出会うことができました。

「クリスマスをさがして」は、 
たくさんの素敵なえほんに出会うきっかけをくれた大切な一冊です。
 

今、手に入れることはむずかしいのですが、
お母さん・お父さん、また、いま小さなお子さんに 
いつか出会ってもらえたらいいなと思う素敵な一冊です。
(たねおい)

 

作・絵: トリーナ・シャート・ハイマン
訳: 若林千鶴
出版社: 金の星社 (http://www.kinnohoshi.co.jp
税込価格: ¥1,050(本体価格:¥1,000)
発行日: 1995年
ISBN: 9784323015088
*こちらの商品は、現在、品切れ重版未定となっており、市場に流通しておりません。

2012年12月25日