「あめふり ばばばあちゃんのおはなし」 さとうわきこ作・絵 福音館書店
こんにちは。
こどものころを思い返すと
どんな天気のどんな日だって楽しんでいたなーと思います。
台風の中継をまねたり
どろみずに思い切り飛び込んだり。
6月のテーマは、「雨と音」。
じめじめと雨が降る梅雨。
雨の音、かえるの鳴き声、音が聞こえてくる季節。
雨の日がたのしくなるような
聴こえてくる音に耳をすましたくなるようなえほんを
ご紹介させていただきます。
きょうの1冊は、さとうわきこさんの
ばばばあちゃんシリーズ「あめふり」です。
雨がずっと、じとじととやまずにいて
こねこも、こいぬも、ばばばあちゃんも、
外で遊べなくて困っていました。
空に向かって、ばばばあちゃんはお願いをします。
たまにはお天気にしておくれと。
それなのに、あめはつよくなるばかり。
「やなこったー」と、あめふらしさん。
しまいには、バケツをひっくり返したような
あめが降ってきました。
ばばばあちゃんはカンカンに怒って、
こっちにもかんがえがあるとまきを運び始めました。
さてさて、ばばばあちゃんの考えた作戦とは。
ばばばあちゃんを読むと、こどもの姿が浮かびます。
例えば、しかえしを汗だくでしている場面では
こどもが何かにいっしょうけんめいになっているときの姿。
けれども、おばあちゃんのやさしさも感じます。
あめふらしさんたちにしかえしをするけれど
くもがもとに戻るまでお家に泊めてあげますね。
敵味方とならなくて和やかなきもちになりました。
ばばばあちゃんシリーズは
だれよりもこどもごころを持っているばばばあちゃんの言動と
おばあちゃんのやさしさを感じ
こころがきらきらおどります。
こどもの「なんで?」に答えるような
あめふらしさんの存在があったり
おとながこどものきもちにかえれるような
くもを干す場面があったり。
こどものきもちや視点を大切にしているえほんだなと思います。
くもをみんなが干しているシーンは
何度読んでも
にやけた表情になってしまいます。
じめじめもふっとばしてしまう
ばばばあちゃんのお話です。
(たねおい)
『あめふり―ばばばあちゃんのおはなし (こどものとも傑作集)
』
作・絵: さとう わきこ
出版社: 福音館書店(https://www.fukuinkan.co.jp)
発行日: 1987年9月15日
ISBN: 9784834003307