こんにちは。
今月も残すところあと少し。梅雨の季節も終わりが見え、
空気の中に夏の匂いを感じます。
「カエルの歌が聞こえてくるよ」
そんな歌がありますね。そういえば、東京に暮らしてからカエルの歌を聞いていないような気がします。
「雨と音」をテーマにデジタルえほんのご紹介をしております、6月。
今月最後にご紹介するのは「雨のうた」です。
やさしいナレーションと音楽で彩られた「えほんをよむ」と、
えほんの中の登場するキャラクターたちが音を鳴らす「雨音演奏会」の
ふたつの楽しみ方があります。
ここでは、「えほんをよむ」の物語について紹介します。
ある雨の日に、ちいさなたねがふわりと地面に落ちました。
冷たい風に吹かれて、たねは地面にしがみついています。
「つめたいよ。とばされちゃうよ」
そこに、一匹のカエルが通りがかります。
「このくらいの雨、ぼくはへいきさ。
ぼくが まもってあげる」
雨に濡れて震えるちいさいいのちを守ろうと、たねのうえにおおいかぶさるちいさなカエル。
そしてそのカエルをまもろうと、おにいちゃんカエルがおおいかぶさります。
さらにその上にやまねこが、そしてさらにその上にライオンがと、
さまざまな動物たちがあらわれては、雨に震えるちいさないのちを守ろうとします。
だれかのやさしさがありがとうを生み、そこからまたやさしさが生まれていきます。
やさしさや、ありがとうという気持ちは、とてもむずかしいものです。
それは大人であるわたしたちにも、うまく説明することはできないかもしれません。
このえほんは、やさしい雨音のようにそれをそっと教えてくれるような気がします。
だれかを守ろうとするやさしさと、ありがとうの気持ちが、波紋のように広がっていく優しい作品だと感じました。
物語の中で、みんなが少しでも楽しい気持ちになるように、カエルたちは一生懸命歌を歌います。
カエルの歌が聞こえてきたら、きっと彼らも誰かのために歌っているのかな。
このえほんに触れた子どもたちが、そう思えたらいいなと思います。
(ほりあい)
販売元: DENTSU MAGAZINE
価格:¥500
条件: iPad 互換 iOS 4.3 以降が必要
URL:https://itunes.apple.com/jp/app/yunouta/id505404153?mt=8
HP:http://ehon.jfn.co.jp/books/book6.html