こんにちは。
8月になりましたね。
セミが鳴いて、青いそらがひろがっていて、夏にいることを感じます。
今月は〈むし・森〉をテーマに
えほんをご紹介させていただきます。
きょうの1冊は、田島征三さんの『とべバッタ』です。
ちいさなしげみの中に、一匹のバッタが隠れてすんでいました。
そこには、くもやかまきり等おそろしいものたちもいて
バッタをたべようとねらっていました。
バッタは、びくびくしながら暮らしていたけれど
おびえながらいきていくのが、つくづくいやになったのです。
そして、あるひ、バッタは決意をしました。
それは、とってもおおきな決意でした。
その決意によって、バッタが見た景色とは。
とてもちからづよく、
見ているわたしもどくどくこころがうごき
さらさらっと見ることはできない田島さんの絵。
すこし足がすくむくらいに
血が通っていて熱をかんじます。
このえほんに出会ったとき
バッタとじぶんのことを比べました。
このバッタのように、決意をして風景を変えられているだろうか、と。
風景を変えることは、勇気がひつようで、あしがすくむかもしれません。
けれども、じぶん以外変えることはできません。
いつもの風景は、じぶんのちからで歩いているか。
くるしい思いも、こわい思いもするかもしれないけれど
その先に見える景色はどんな景色だろう。
わたしに問いながら、このえほんを読んでいました。
そして、またこのえほんを読もうと思うのです。
こどもにも、おとなにも、大切な1冊になると思います。
ぜひ、読んでみてください。
(たねおい)
『とべバッタ (田島征三)』
作・絵: 田島 征三
出版社: 偕成社 (http://www.kaiseisha.co.jp)
発行日: 1988年7月
ISBN: 9784033311401