こんにちは。おひさしぶりです。
えほん社の本棚(紙のえほん)お休みをしていたら、東京はすっかり春ですね。
縮こまっていた木や葉たちが、いきいきとのびをしているようです。
改めて、えほん社の本棚どうぞよろしくお願いいたします。
さっそくきょうのえほんのご紹介をしましょう。
今回のテーマは、春。
春はいつのまにかやって来ていて、ずっといたかのように寄り添っています。
きょうの一冊は、春の準備が描かれているえほんになります。
S・V・オルファースさん・絵、H・D・フィッシュさん・文、いしいももこさん・訳の「根っこのこどもたち目をさます」です。
おひさまの日差しがあたたかくなり、風がやわらかく吹きはじめたころ、じめんの下ではなにが起こっていたでしょう。
ぐっすり眠っていた根っこのこどもたちは土のおかあさんに起こしてもらい、じぶんたちが目をさますときをよろこびました。そして、それぞれに春の支度をはじめます。
土のした、夜のくらやみ、宇宙のはて、こころの中、肉眼で確認できないところがあります。この確認できない部分は解明することができるし、知ることができることもたくさんあります。けれども、わたしはちいさなころから、分からないままに持つことを大切に思っていました。どこにも答えのない、空想と想像のひろがる余白を感じていたようです。
知ることを大切にしながらも、この余白のことを忘れずにいたいなと思っています。
「根っこのこどもたち目をさます」は、季節をより豊かに味わうことができるきっかけをつくる一冊になるのではないでしょうか。
このえほんを読んでから、こどもたちとそとをおさんぽをしたら、どんな会話ができるのかなと想像します。
(たねおい)
文: H・D・フィッシュ
絵: S・V・オルファース
訳:いしいももこ
出版社:童話館出版(http://www.douwakan.co.jp/group/books/306.html)
定価: ¥1,333+税 円
発行日: 2003年03月
ISBN: 9784887500433