さて、きょう選んだのは、「しりとりあそびえほん」です。
まず開いてみると、〈おおきくなる しりとり〉のページ。ノミ→ミノムシ→ショウリョウバッタ・・・どんどんからだのおおきな動物になっていくしりとり。このように、テーマの中でしりとりをしていく、しりとりえほんです。荒井良二さんの絵も、ほんとうに素敵です。また別のページを開いてみると、〈きいろのしりとり〉というページがあります。月→金貨→カナリヤ・・・と一見同じカテゴリーにいない物たちのようですが、きいろというレンズを通すと仲間になります。テーマというレンズを通してのぞくことで、あらゆる角度から物を見ることができます。このえほんをよんでいると、広い視野が養われていくようです。
今年の夏、山登りをしたときひさしぶりにしりとりをしました。7人年齢層ばらばらの大人の中に小学4年生の女の子が1人。その女の子が「しりとりしよう!」と声をかけたのがきっかけです。前に言った物すべて言う暗記しりとりをしました。縦一列に並んで山をくだりながら、うしろのひとにも聞こえるようにおおきな声を出して、おとなもこどもも一生懸命にしりとりをしました。足の痛いのも忘れてあっという間の素敵な時間だったなあと思い出します。女の子としりとりが、たのしい思い出をつくってくれました。
ひとつずつ指をさして、お母さん、または、お父さんと顔を見合わせながらぜひ、読んでいただきたい「しりとりあそびえほん」。このえほんを通して、親子の素敵な時間が過ごせそうだなと思います。
(たねおい)
作: 石津 ちひろ
絵: 荒井 良二
出版社: のら書店 (http://www.norashoten.co.jp)
税込価格: ¥1,050(本体価格:¥1,000)
発行日: 2002年04月
ISBN: 9784931129146
えほん社の本棚では、毎月、月ごとのテーマにそって、えほんを紹介していきます。火曜日には紙のえほん、水曜日にはデジタルえほんです。そして、11がつのテーマは、「しりとり」。
さて、きょう選んだのは『おしりとり』です。しりとり・かたち・物語を楽しむことができるえほんです。表紙にうつるピンク色のぷりっとしたおしりの鳥が、このおはなしの主役おしりとり。この〈おしりとり〉からしりとりが始まります。次につづく言葉のシルエットが描かれていて、その“かたち”からヒントを得て言葉を浮かべることができます。
ちいさなころ、しりとりをすると、つまずく文字がひとつありました。その文字は、「る」です。「ルビー」が出てしまったあとは、「る」がまわってこないようにと祈りました。「ルーレット」や「(カレーの)ルー」。あのころ、もっと身近で知っている「る」のつくものがあったはずなのにふしぎです。「ルーマニア」、「ルーツ」、「ルクセンブルク」、「ルート」、「類義語」、たくさんの言葉を覚えたなとちょっと大人になったことを感じました。
そんなしりとりの思い出をこの本を読み、思い出しました。かわいいイラストとユーモアあふれるおはなしも楽しむことができる「しりとり」えほんの『おしりとり』です。
(たねおい)
『おしりとり』
作・絵: 本 秀康
出版社: 長崎出版 (http://doremifa.net/nagasaki/)
税込価格: ¥924(本体価格:¥880)
発行日: 2010年07月
ISBN: 9784860954048
A5変版 32ページ