こんにちは。
年末年始、ゆっくり過ごされたでしょうか。
冬休みが終わり、幼稚園や学校に賑やかな声が響いていることを想像します。
雪の降るきょう、晴れたきょう、
それぞれのきょうの中でえほん社blogをお立ち寄りいただきうれしく思います。
これからも、どうぞよろしくお願いいたします。
さて、えほん社の本棚、1月のテーマは「どうぶつ」です。
お子さんとお母さん・お父さん、
家族みんなに楽しんでいただけるどうぶつの出てくるえほんをご紹介させていただきます。
新年1冊目は、パット=ハッチンスの「ロージーのおさんぽ」です。
お話はとてもシンプル。
めんどりのロージーが夜ごはんの前に腹ごなしのため、
おさんぽをしてお家に着くまでが描かれています。
おいけの周りを歩いたり、干し草の山を越えたり、
ロージーは気のままにスタスタおさんぽしています。
文章には、そのようなロージーのおさんぽの風景しか書かれていません。
けれども、絵を見てみると・・・。
なにも知らずにスタスタとおさんぽしているロージーの後ろに、
実はきつねがロージーをひっそり狙い追いかけているのです。
一生懸命に追いかけてはひどいめに遭ってしまうきつねと、
気づかぬうちにするすると通り抜けていくロージーのユーモラスな様子が
絵のみで描かれています。
登場するどうぶつや風景の模様・色使いも、とっても素敵です。
おおきな文字、みじかい文章、
絵で語るこのえほんは3才くらいのお子さんから楽しんでいただける一冊だと思います。
どのようなことが起きたか、
こども自身が〈気がつく〉ことができるえほんだと思います。
一緒に読み聞かせしていただくことをおすすめいたします。
(たねおい)
作・絵: パット・ハッチンス
訳: 渡辺 茂男
出版社: 偕成社 (http://www.kaiseisha.co.jp)
税込価格: ¥1,050(本体価格:¥1,000)
発行日: 1975年08月
ISBN: 9784032022100
メリークリスマス!
12月は「クリスマス」をテーマにえほんをご紹介させていただいておりました。
紙のえほんは、きょうが最後の一冊。
T・S・ハイマンの「クリスマスをさがして」をご紹介させていただきます。
「クリスマスってなんだろう?」
ずっとむかし、クリスマスを見たことも聞いたこともない
ちいさな女の子がいました。
偶然出会ったおばあさんに聞いたクリスマスというものが
どんなものか知りたくて、
女の子はいよいよクリスマスをさがしに行くのです。
心やさしいネコ、かなしそうな顔のイヌ、
するどい声のタカ、かしこそうなキツネ、
なきまねのうまいマネシツグミ、
途中で出会ったみんなもクリスマスのことをだれも知りません。
「どんな触り心地だろう?」
「どんなにおいだろう?」
「どんなカタチ・色をしているだろう?」
「どんな味だろう?」
「どんな音がするだろう?」
みんなでいっしょにクリスマスをさがします。
「クリスマスをさがして」とわたしが出会ったのは、高校の図書室。
その頃はあまり本も読まず、図書室という空間がとても苦手でした。
けれども、どういうきっかけかちょうど今くらいのある日、
クリスマス特集をしている図書室でこのえほんに出会いました。
ふっと手に取り、立ったままページをめくり、
ぐんぐんと物語のせかいへ。
読み終わり、
「このえほんをいつか買おう」とタイトルや著者名、出版社名を
近くにあるものにいそいでメモしたことを覚えています。
ずっとじーんとしたものが心に残るはじめての感覚でした。
大学生になり、えほんを探したとき、
絶版だということを知りとってもがっかりしたのですが、
幸せなことに再び出会うことができました。
「クリスマスをさがして」は、
たくさんの素敵なえほんに出会うきっかけをくれた大切な一冊です。
今、手に入れることはむずかしいのですが、
お母さん・お父さん、また、いま小さなお子さんに
いつか出会ってもらえたらいいなと思う素敵な一冊です。
(たねおい)
作・絵: トリーナ・シャート・ハイマン
訳: 若林千鶴
出版社: 金の星社 (http://www.kinnohoshi.co.jp)
税込価格: ¥1,050(本体価格:¥1,000)
発行日: 1995年
ISBN: 9784323015088
*こちらの商品は、現在、品切れ重版未定となっており、市場に流通しておりません。
こんにちは。
きょう、わたしのいるオフィスには柔らかな日差しが降り注いでいて、
とっても気持ちがよいです。
みなさまのところは、いかがでしょう。
雪の降っているところもあるようですね。
どんな風景の中で、このblogを読んでいただいているのかと思いを馳せます。
さて、きょう選ばせていただいた「クリスマス」をテーマにした一冊は、
レイモンド・ブリッグズの「ゆきだるま」です。
わたしが物心ついたころから本棚にある大好きな一冊をご紹介させていただきます。
「ゆきだるま」は、ゆきだるまとゆきだるまを作った少年の
とある一夜のできごとが描かれたえほんです。
ベッドに入ってもどうも気になって、作ったゆきだるまを少年は外に見に行きます。
すると、背を向けていたゆきだるまは、こちらを向き帽子をとって挨拶をしました。
少年はお家に招き入れ、みんなが寝静まったお部屋をゆきだるまと探検します。
それはそれはすてきな一夜のお話です。
セリフ・説明・お話の流れなどの文章はなく、すべて絵によって表されています。
そのため、小さなお子さんも読むことができますし、
異なる言語で話すこどもが一緒に読むこともできるのでは、と思います。
色鉛筆を重ねているような柔らかな線の絵がお話の世界観をあたたかく創り上げ、
漫画のようにコマが分かれている描き方によって、
物語の展開を見事に感じさせてくれます。
空を飛ぶシーンになると、心が踊り、頭の中でいつもBGMが鳴りだします。
何度読んでも、年齢を重ねても、この感動は色あせることがありません。
つい先日のこと、本棚の「ゆきだるま」を手に取り、
なぜだかひさしぶりに表紙をぼおっと見つめたのでした。
絡まっていた記憶がするするっとほどけて忘れていたことをふっと思い出しました。
ゆきだるまが、初恋のような存在であったこと。
幼稚園に通っているくらいだったでしょうか、
「ゆきだるま」を読んだある日にこんなひといいな、なんて思ったのでした。
こどものころに出会うものや体験は、
人となりを成形する要因のひとつだと思います。
わたしはこのえほんに出会えていてよかったなと思うのと、同時に、
両親に感謝しなくてはと思いました。
おおきな夢のあるおはなしの中に
コミカルなユーモアさも含まれている「ゆきだるま」。
冬の眠る前の一冊に、読むと素敵な夢が見られそうです。
(たねおい)
「ゆきだるま」
作・絵: レイモンド・ブリッグズ
出版社: 評論社(http://www.hyoronsha.co.jp)
税込価格: ¥1,365(本体価格:¥1,300)
発行日: 1978年
ISBN: 9784566002258
こんにちは。今月は「クリスマス」をテーマに紙のえほん・デジタルえほんをご紹介させていただいております。お父さん・お母さんが、クリスマスまでのこの日々、こどもと読みたいえほんを選ぶひとつのきっかけにしていただけたらと思い、選ばせていただきました。
今月2冊目の紙のえほんは、「まりーちゃんのくりすます」です。赤いスカーフの女の子の横顔の表紙は、シンプルでかわいらしく書店でふっと手に取ったことを覚えています。今年のクリスマスは、お部屋にそっと飾ろうと思っています。
赤いスカーフがよく似合うまりーちゃんは、しろいひつじのぱたぽんにクリスマスはどんなの日なのかお話します。おりこうにしていると、クリスマスの夜、暖炉のそばの靴の中にサンタクロースがプレゼントを置いていってくれることも。まりーちゃんは、どんなプレゼントをもってきてもらえるかわくわくしてお話を続けますが、ぱたぽんは靴を脱ぐことができないから置いていってもらえないでしょうと残念そうに繰り返します。まりーちゃんは「おりこうにしていたらきっと来る。」と励まし、ぱたぽんのために木の靴を作ってもらいにいくのです。
12/25が近づいてくると、こどものころ、サンタクロースからどんなものをもらえたらうれしいだろうと、わたしもまりーちゃんのように考えました。欲しいものはたくさんあったような気がしていたのに、いざ考えるとすっかり浮かばないのです。クリスマスも、お誕生日も、聞いてもらえるときに欲しいものが浮かばないのは、こどものころから今もずっと変わっていません。欲しいものが手に入る喜びよりも、思っても見なかったものに出会えたことにわくわくした気持ちをよく覚えています。
さて、クリスマスの夜、まりーちゃんとぱたぽんにはサンタクロースはプレゼントを置いていったのでしょうか。そして、どんなプレゼントを置いていったのでしょう。お子さんと一緒にクリスマスを待ちながら読むのに素敵な一冊です。
(たねおい)
作・絵: フランソワーズ
訳: 与田 凖一
出版社: 岩波書店(http://www.iwanami.co.jp)
税込価格: ¥672
(本体価格:¥640)
発行日: 1975年11月26日
ISBN: 9784001151152
12月が始まりましたね。寒さも厳しくなり、ぐっと冬の気配が色濃くなってきたように感じます。
えほん社の本棚は、月が変わりましたので、テーマも変わります。今月のテーマは、「クリスマス」です。お父さん・お母さんが、クリスマスまでのこの日々、こどもと読みたいえほんを選ぶひとつのきっかけにしていただけたらと思い、すてきな紙のえほんを4冊選ばせていただきました。
1冊目は、五味太郎さんの「まどからおくりもの」。12月のはじめの日、こどもに読み聞かせをする機会がありました。そのとき選んだのが、「まどからおくりもの」でした。みんなの反応は・・・「知ってるー!」「家にあるー!」「読んだことあるー!」でした。
愛らしいお茶目なサンタさんは、まどをのぞいて、だれのお家か想像をします。そして、それならばぴったりなこれをあげようとまどから贈り物をそっと置いてきます。それはそれは、素敵なお話なのですが、あれあれ、サンタさんはおっちょこちょいなようで、はやとちりをしてしまうのです。どんなしかけで、本当はどんなどうぶつのお家なのか、めくるたびににこにこくすくすしてしまいます。
読み聞かせをしたとき、サンタさんのセリフに対して子どもからは、「ちがうよー」「間違っているんだよ。」「次は、○○だよー」とたくさんの声が飛びました。覚えているくらい何度も何度もお母さんやお父さんと読んだのでしょうかね。
このお話のおしまいがわたしはとっても大好きです。また、読もうという気持ちになります。みんなにこにこしてたのしい読み聞かせの時間でした。
おとぼけサンタさんと、たのしいしかけ、あったかくなる素敵なえほんの「まどからおくりもの」です。
(たねおい)
「まどから おくりもの」
作・絵: 五味 太郎
出版社: 偕成社 (http://www.kaiseisha.co.jp)
税込価格: ¥1,050(本体価格:¥1,000)
発行日: 1983年11月
ISBN: 9784033380308