こんにちは。
海の日を向かえましたね。
うみびらき、お祭り、なつがはじけはじめたようです。
7月のテーマは、「うみ・そら・たいよう」。
きょうの一冊は、うみに住む生き物のおはなしです。
秋野和子さん文・秋野亥左牟さん絵
『たこなんかじゃないよ』です。
『たこなんかじゃないよ』というタイトルに
まぎれもなく〈たこ〉が描かれている表紙。
どういうことかしらとえほんをめくっていきました。
みなみのうみのなか
たこは昼寝から目を覚まし、さんぽにでかけました。
にじいろざかながやって来るのを見つけると
たこはさんごにくっついて
「わたしはさんご
わたしはさんご
たこなんかじゃないよ」
さんごのいろに変身しました。
にじいろさかなが近づくと
あっというまに巻きつきました!
どうなるどうなる!
たこのおさんぽがどうなるか、ここではひみつにいたします。
おはなしだけではなくて
色も模様も絵のタッチも、とってもすてきです。
砂の模様にとくにみとれてしまいました。
たこは、さんぽに出かけたと思ったらうみに変身。
にじいろざかながやって来たらさんごに変身。
これは、魔法のお話ではありません。
すてきなおとぎ話でもありません。
たこの生命のおはなし。
生きるというおはなし。
数ページのえほんだけれど
ずっしりと熱が伝わってくるのです。
ほんとうにすばらしいなと感じます。
自由研究のきっかけになるかもしれないと思った1冊です。
(たねおい)
文: 秋野 和子
絵: 秋野 亥左牟
出版社: 福音館書店 (https://www.fukuinkan.co.jp)
発行日: 1995年
ISBN: 9784834021103
こんにちは。
すっかり夏日のとうきょうです。
「あついあつい。」と眉間にしわをよせていませんか。
汗をきらきらかいてはしゃぎまわるこどもたちを見ると
わたしも夏をたのしもうというきもちになります。
さて、今月のテーマは「そら・うみ・たいよう」。
きょうのえほんは、長新太さんの『ブタとタコのダンス』です。
いいおてんきのある日。
ブタがうみべを歩いていたら
タコがぴゅーっととんできて、鼻のあなにはいってしまった!?
さてさて、どんなことが起こるでしょうか。
色鮮やかな絵も印象的ですが
ことばづかいがリズミカルできもちよく
声に出してよむとよりいっそうこのえほんをたのしめると思います。
ブーブー タコタコ、ブータコタコ。
ブータコ ブータコ、タコブーブー。
タコタコ ブタブタ タコブーブー。
とくにここはよんでいるだけで
ゆかいなきもちになって
わらってしまいます。
ことばのならびかたと音だけで
笑わせることができるなんて。
ブタにタコはいたずらをするのだけれど
怒るわけでもなく
けんかをするわけでもなく
「からだをうごかして、やわらかくしよう。
ダンスしよう、ダンスしよう。」
と、ブタもタコもうみの生き物たちもダンスをします。
そんなことありえないと笑うかもしれません。
でも、そうだよねとわたしは感動したのでした。
こどもたちを見ていても、そうです。
おおきな声で言い合っていると思ったら
げらげら笑い合ったりしていて
長さんの描くせかいのようなこと
あるかもしれない、というきもちになります。
眉間にしわをよせないで
からだをやわらかくしてダンスしよう、ダンスしよう。
よみおわると、
にっこりとまあるいきもちになる一冊です。
(たねおい)
『ブタとタコのダンス (学研おはなし絵本)』
作・絵: 長 新太
出版社: 学研 (http://hon.gakken.jp)
発行日: 2005年06月
ISBN: 9784052023569
こんにちは
ぴかぴかによく晴れたきょうです。
あさはやく洗濯物を干した洗濯物もきもちよさそうにしていました。
あおあおとして、真っ白のおおきな雲が浮かんだり、
七夕の日には天の川がかかる夏の空。
きらきらとかがやき、
すいすいじゃぶじゃぶと泳ぐ夏のうみ。
ぴかぴかとぎらぎらとまぶしい夏のたいよう。
今月のテーマは「そら・うみ・たいよう」。
そして、きょうの一冊は、
中川ひろたかさん文・長新太さん絵の『うみちゃんのまど』です。
「おーい、ひこうき。」
まどのそとを飛んでいるひこうきを
うみちゃんが呼ぶと
「なんのようか ここのか とおか。」
ひこうきはこたえて、まどから入ってきました。
「へんな ひこうき。」とうみちゃんは言って、
はじめての飛行機の旅にでかけることになります。
しりとりで行き先を決めながら
きいろのくに、ろくでもないくに・・・と旅します。
さて、うみちゃんは、じぶんのお家へ帰れるのでしょうか。
「あったりめのするめいか」や「行き先が必要なんておおありくい」
駄洒落だらけの人間味あふれるひこうきと
すこしツンとしたうみちゃんのやりとりがなんとも言えず、いいコンビ。
ことばのひびきがきもちよく、声に出して読みたいえほんです。
ろくでもないくにで描かれるろくでもないものたちに
思わず笑ってしまいました。
ぜひ、読んでたしかめてみてください。
(たねおい)
『うみちゃんのまど』
作: 中川 ひろたか
絵: 長 新太
出版社: 偕成社(http://www.kaiseisha.co.jp)
発行日: 1997年07月
ISBN: 9784033311906
こんにちは。
「くもりのちときどき晴れ 夕方から雨」
今朝、ラジオから流れてきた天気予報です。
空が劇場だとしたら、役者はめまぐるしい転換を行なっていて
たまにまちがって出てしまっても仕方ないかという気持ちになりました。
さて、今月最後の紙のえほんのご紹介です。
テーマは「雨と音」。
きょうの一冊は、
ミラ・ギンズバーグ文 / ホセ・アルーエーゴ、エーリアン・デューイ絵
『そらにかえれたおひさま』です。
くもがそらいちめんを覆っています。
みっかかんもおひさまは隠れたまま。
ひよこたちはどこへ行ったのかしんぱいになって探しにいくと言い出します。
めんどりのおかあさんは言います。
「どうやってさがすの?どこにすんでいるか知っているの?」
「知らないけど、聞きながらいけばいいさ。」
と、ひよこたち。
めんどりのおかあさんは、いろいろ言ったのだけれど
お弁当を用意して旅に出させてくれました。
ひよこたちは、どんな出会いをして、おひさまに出会えるのでしょうか。
おひさまは、どんなところでどう過ごしているのでしょうか。
このお話は、スロバニア地方の民話をもとに紡がれています。
ひよこたちをはじめ、登場するものたちの表情が独特。
お話を聞く姿も、それぞれ赴くままに興味のあるところにいるのです。
えほんでは、あまり見たことがないような気がしましたが
それは、実際のひよこたちの自然なすがたが目に浮かぶものでした。
また、ひよこたちとめんどりのやりとりが描かれているページ。
たった数行の中に、
おとなの保守的さ・やさしさ、
こどものや無鉄砲さ・無垢さがぎゅっと描かれていて
ほれぼれしてしまいました。
このお話を読んで、
まさに今のような梅雨の時期
おひさまはあかるく輝く方法をわすれてしまっているのかもしれない
と、そんな気持ちになりました。
雨が降りつづく日々があったとき、
こどもに「なんで雨ばっかり降るの?」と聞かれたときがあったら
ぜひ、このえほんをいっしょに読んでもらえたらいいなと
ご紹介させていただきました。
(たねおい)
作: ミラ・ギンズバーグ
絵: J・アルエーゴ A・デューイ
訳: さくま ゆみこ
出版社: アリス館 (http://www.junposha.co.jp/alice/)
発行日: 1984年01月
ISBN: 9784752040132
こんにちは。
雨が降るとすこし涼しくなり
晴れた日にどっと暑さを感じます。
ぎったんばっこん、雨の日と晴れの日を繰り返して
夏になっているのでしょうね。
「雨と音」がテーマの今月。
きょうの一冊は、ロバート・ブライトさんの「あかいかさ」です。
空は晴れているけれど、
おんなのこはあかいかさを持ってお外に出ていました。
「持ってくるんじゃなかった」と思っていたら
雲が現れ、雨が降ってきたので
おんなのこはあかいかさをさします。
すると、こいぬが一匹、こねこも二匹。にわとり三羽・・・と
たくさんの動物が雨宿りをしにやって来ました。
あかいかさで雨宿り。
さて、ほかにはどんな動物が雨宿りをしにやって来るのでしょう。
つよく雨の降る日、
どうぶつたちは、虫たちは、どこでどうしているのかしらと
想いを馳せます。
どこか、
このおんなのこのあかいかさのようなところに集まって
雨宿りをしていたらいいなと
このえほんを読んでいて思いました。
雨降りの日があったかい日になることを感じる「あかいかさ」。
傘をさすことが苦手な子がいたら、
このえほんを一緒に読んでみるのはいかがでしょう。
(たねおい)
あかいかさ (海外秀作絵本)
作・絵: ロバート・ブライト
訳: 清水 真砂子
出版社: ほるぷ出版(http://www.holp-pub.co.jp)
発行日: 1975年
ISBN: 9784593500031