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【えほん社の本棚 紙のえほん No.17】「はらぺこあおむし」

こんにちは

わたしの住む家の近くにおおきな公園があります。
落葉樹のいくつかはまだ冬のすがたをしておりますが、
他の木々に先駆けて10cmくらいの白い花びらを咲かせる
コブシ(辛夷)が満開に咲き誇っております。
蕾は、鼻炎や鼻づまりに効果があり、漢方にもなっているとか。

寒々しかった景色に白色が添えられ、
もうすこしすると、桜色やたんぽぽの黄色と
すっかり春色へと変化するのだろうとわくわくしております。

お住まいのところは、いかがでしょうか。
 

「春」をテーマにした3月。
きょうは、蠢きはじめたむしが主人公のお話です。

エリック・カールさん「はらぺこあおむし」です。

 
日ようびの朝、たまごからかえったあおむし。
とってもおなかがぺこぺこでした。
月ようびには、りんごを1つ。
火ようびには、梨を2つ。
たべてもたべても、はらぺこのあおむし。
たべつづけて土ようびにはおなかをこわしてしまいます。
そして・・・。
 

「成長」という軸からぶれることなくまっずぐに描いているえほんです。

色も鮮やかで、
りんご、梨とあおむしが食べた箇所には穴があいているしかけもあります。
(この部分は幼児が指を入れても破れにくいように、
丈夫な厚紙で作られています。)
まだ文字を覚える前のお子さんにも、
読み聞かせえほんとしてぴったりだと思います。

そして、もうすこし成長されたときには、
数や曜日などの認識、
新たな気づきをこども自身が体感できるのではないかと思います。
(たねおい)
 

作・絵: エリック・カール
訳: もり ひさし
出版社: 偕成社(http://www.kaiseisha.co.jp
税込価格: ¥1,260(本体価格:¥1,200)
発行日: 1976年05月
ISBN: 9784033280103


2013年3月19日
【えほん社の本棚 紙のえほん No.16】「14ひきのぴくにっく」

こんにちは
春風の舞う週末、
ワークショップコレクション9が行なわれました。
たっくさんのご家族がいろいろなところからいらっしゃってくださいました。
ありがとうございます。

3月は、「春」がテーマです。
きょうは、あの素敵な家族のとある春の日をのぞきたいなと思います。

いわむらかずおさん「14ひきのぴくにっく」です。

おじいちゃんとおばあちゃん、
おとうさんとおかあさん、
そして、10ぴきの兄弟。
14ひきのすてきなねずみの家族の春のおはなし。

お天気のよい春の日、
おにぎりをにぎって、
のはらへでかけることになりました。

すみれ、山吹、えながの赤ちゃん、
かえるやつくしにたんぽぽ、蝶。
読んでいると、
一緒に散歩したかのように、
春のお花やどうぶつなどに出会うことができます。

わたしは、ひらいてすぐの、
14ひきの家族の、木のお家のシーンに
わくわくします。

春のひかりが差し込み、
お父さんがきっと「きょうはピクニックに行こう!」とお話をして、
こどもたちがぴょんぴょん喜んでいます。

お家のちかくにある、
あの木ももしかして、だれかのお家なのかもしれない
とそとへ飛び出したくなりました。

お家の中は、どんなふうになっているんだろうと
いろいろなイメージも膨らんでいきます。

そんな余白がたくさんあるのも、
このえほんの素敵なところです。
会話が生まれる絵の本。
それぞれの親子によって、
異なるものがたりが生まれているのではないでしょうか。
(たねおい)

作・絵: いわむら かずお
出版社: 童心社
http://www.doshinsha.co.jp/search/info.php?isbn=9784494006731
税込価格: ¥1,260(本体価格:¥1,200)
発行日: 1986年11月
ISBN: 9784494006731


2013年3月12日
【えほん社の本棚 紙のえほん No.15】「ぐりとぐらのえんそく」


(なかがわりえこ:作 やまわきゆりこ:絵 福音館書店:出版)

こんにちは。
3月になりましたね。
風がつよく吹いたり、雨が降ったり、
冬と春がよせてはかえし、
すこしずつ春がやって来ていることを感じます。
みなさまの町は、いかがでしょう。

3月のテーマは、「春」です。
「春と言えば」と思いつくものを題材にしたえほん、
春を感じさせてくれるえほん、
春に関するえほんをご紹介させていただこうと思います。

なかがわりえこさん作やまわきゆりこさん絵
「ぐりとぐらのえんそく」です。

双子ののねずみ、ぐりとぐらのお話です。

いいそよ風が吹いていそうな、
気持ちの良さそうな、
そんな日にぐりとぐらは野原へ行きました。

のはらに着いたけれど、
お昼ごはんの時間に鳴る目覚まし時計は
まだまだ鳴りそうにありません。

お昼になるまで何をしようと考えて、
1・2・3・4と、たいそうをしたり
よういどんと、マラソンをしたり。

とちゅうでつまづいてしまうぐりとぐら、
つまづいた原因となった毛糸をぐるぐると転がしていった先には・・・。

「ぐりとぐらのえんそく」では、
お弁当をたべるシーンも、素敵です。

お弁当のことを考えていたら、お花見のことを思い出しました。
昨年、お花見をしたとき、
50人前のパエリアをおおきなパエリアパンで行ないました。
ともだちは、はるばる遠くからやって来てくれました。
隣でお花見をしていたこどもも、おとなも、集まって
みんなでパエリアをたべました。

ごはんをみんなで囲んで食べることは、
なにかの魔法のようで、
はじめましての緊張もすっかり溶かしてくれますね。

今年の桜はいつごろ咲くでしょうね。

「ぐりとぐらのえんそく」を読んでいると、
春になったらなにをしようというわくわくした気持ちが湧いてきます。

作: 中川 李枝子
絵: 山脇 百合子
出版社: 福音館書店 (http://www.fukuinkan.co.jp
税込価格: ¥840(本体価格:¥800)
発行日: 1983年3月5日
ISBN: 9784834008920

2013年3月5日
【えほん社の本棚 紙のえほん No.14】「そりあそび」

こんにちは。
2月もあと、すこし。
「雪・冬」をテーマに紹介する紙のえほんは、最後の週となりました。
素敵な素敵な憧れのおばあちゃんのシリーズから1冊ご紹介させていただこうと思います。

さとうわきこさんばばばあちゃんシリーズより、「そりあそび」です。

つめたい雪の降る日。
こいぬやきつね、こねこ、うさぎなど、 
どうぶつのこどもがばばばあちゃんの家のストーブの前にふるえながらとびこんできます。

ばばばあちゃんは、言うんです。
いい わかもんが だらしねえ。

そして、ばばばあちゃんは、みんなをつれて、 
ほんとの冬のあったまりかたを感じるために、あることをするのです。

 

ばばばあちゃんを読んでいると、
深くうなづいたり、まねしたいと思う場面がいくつもあります。

例えば、
ベッドが壊れてしまいます。
ばばばあちゃんは、困ったり、怒ったりしません。
さて、そこからどうするか考えるのです。
そうして、ばばばあちゃんは壊れたベッドのあしを短く切り始めます。

 

こどもと同じように、先のことばかり考えずに、
そこであきらめなかったり、工夫したり。
へっちゃらなばばばあちゃんに、心底憧れてしまいます。

 

お母さん、お父さんには、
こどもと接するヒントを得るえほんになるかもしれません。

こどもには、
いっしょに遊びたくなるえほんになるかもしれません。
ばばばあちゃんの言うことに、しっかり耳をすますのではないでしょうか。

 

家を住み開き、こどもが集まるばばばあちゃんの家。
ずっと先になるかもしれませんが、
こんなばあちゃんになれたらいいなと思うのです。

いつまでも古くならない素敵なえほんではないでしょうか。
(たねおい) 

作・絵: さとう わきこ
出版社: 福音館書店(http://www.fukuinkan.co.jp
税込価格: ¥840(本体価格:¥800)
発行日: 1994年10月15日
ISBN: 9784834012705

2013年2月26日
【えほん社の本棚 紙のえほん No.13】「やぁゆきだるま!」

今朝、玄関をあけたら、雪がちらついていて、
天気予報を見ていなかったので、驚いてしまいました。
読んでくださっているみなさまの街にも、雪は降ったでしょうか。

いわゆる雪国と言われるところでは、
ニュースにならないくらいにあたりまえで、
東京よりずっとたくさん積もっているのですよね。

身近にあるかどうかで、感じ方が異なりますね。

「冬・雪」をテーマにした今月。
きょうは、まねしたくなるわくわくするゆきだるまのえほん
ご紹介しようと思います。

ロイス・エイラトさん「やぁゆきだるま!」です。

雪が降ってきて鳥たちは、
ゆきだるまをつくる材料を準備して、
パパゆきだるま、ママゆきだるまとさまざまなゆきだるまを作っていく
というストーリー。

登場人物やゆきだるまは、
それぞれ、鉛筆貝殻ピーナツいちごなどを
組み合わせて作られています。

色とりどりで、ひとつひとつがとっても素敵です。

また、構成がとってもユニークです。

まず、おはなし
次に、おはなしに使った材料の説明
それから、雪とはなにかの説明
そして、雪はどうして降るのかの説明と
    あらゆる素敵な実際のゆきだるまの写真たち

さいごに、なんとポップコーンで作るゆきだるまのレシピ!

こんなえほん、見たことないとわくわく読みすすめました。

コラージュを使った造形えほんというだけでも、
見て新鮮なきもちになるのに、
レシピまであるなんて、予想できませんでした。

 

どのページもわくわくしますが、
おはなしに使った材料の説明のページでは、
どんな材料が使われていたかが
見開きいっぱいに並べて、紹介されていて魅力的でした。

 

〈こんなものも材料になるんだ!〉
〈いちごは、お鼻のカタチに見える〉
〈ねじを口にすると、無口みたい〉

と、
ものの見え方や捉え方の可能性をぐーんと広げてくれる
きっかけになるえほんだなと感じました。

なんどめくっても、わくわくがとまりません。

雪の降る街、降らない街どちらでも、
お家でゆきだるまを作りたくなるようなえほんです。
(たねおい) 

作・絵: ロイス・エイラト
訳: ふじさき なおこ
出版社: 偕成社 (http://www.kaiseisha.co.jp
税込価格: ¥1,680(本体価格:¥1,600)
発行日: 1997年
ISBN: 9784033277301

2013年2月19日