BLOG

【えほん社の本棚 デジタルえほん No.10】「ねこみっけ」

こんにちは
ただいま、デジタルえほん社では、
デジタルえほんアワードの審査会準備まっただ中です。

わたしも、企画書などを拝見させていただおりますが、
昨年同様、とってもわくわくしております。
ご応募いただいたみなさま、ありがとうございます。

昨年度のデジタルえほんアワードにご応募いただいた企画のひとつには、
実際にデジタルえほんとして、発売されることになったものもあるのです。

きょうは、デジタルえほんアワードから生まれた
「ねこみっけ」をご紹介させていただきます。

「ねこみっけ」は、画面の中のどこかに隠れている
「どろぼう猫」を探し出して遊ぶデジタルえほんです。
隠れているどろぼう猫の居場所は毎回変化し、
見つけた場所によって毎回違った猫のショートストーリーを
読むことができます

画面の中に登場するキャラクター、モチーフ等には、
動いたり音が出るしかけがたくさん隠されているので、
純粋に眺めたりタップするだけでも楽しむことができます。

また、小さな子でも
触ればすぐに操作できるようなシンプルなつくりになっています。

昨年はじまったデジタルえほんアワード、
関わっている身でありながら
夢がつまっている素敵な場だなと感じています。

出会ったもの、見たもの、聞いたもの、
たとえ忘れていたとしても、
どれもかけがえのない自分のかけらになっている、
そんな風に思います。

その中でも、こどものときになにに出会っていたかは、
その後の歩みに影響を与えていると感じることがあります。

このデジタルえほんアワードがきっかけで作品が生まれるということは、
だれかにとってもの大切な一冊になりうるということですよね。

こどものときに出会った、あの一冊が、
ここから生まれてくるのかもしれない・・・
そう思うと、ほんとうにわくわくして、
関わることができてうれしいなと思うのです。

第2回デジタルえほんアワードからも、どなたかにとっての、大切な一冊が生まれるのでしょうか。
(たねおい)

名称: 『ねこみっけ』
価格: 無料
販売元: AxIS Co. Ltd.© Hirono Takihara / Digitalehon
条件: iPad 互換 iOS 4.2 以降が必要
販売サイト:App StoreTM(アップルストア)
https://itunes.apple.com/jp/app/wheres-a-thief-cat/id509472224?l=ja&ls=1&mt=8

2013年1月30日
【えほん社の本棚 紙のえほん No.10】「みちくさ劇場」

こんにちは。
風は、まだ肌にきーんと、鼻にツンとさすように冷たい日が多いですが、
日中はみちくさしたくなるような暖かい日差しが届いてくるようになりました。

きょうご紹介するえほんは、
どうぶつや植物などがどこかへ行く途中、
みちくさをしているときのお話です。

その名も、「みちくさ劇場」
荒井良二さんが絵と文章を描いています。

子犬のミケ、ねこのポチ、
ぼうしのニットくん、カメのイソガシさんなど
12の主人公のみちくさ話がつまっているえほんです。

ここでは12のお話の中から
1つ、わたしのお気に入りのみちくさ話をご紹介することにいたします。

「アザラシのアタラシさん」が主人公のお話です。
アタラシさんは新しいもの好きで、
ついつい余計なものまで買ってしまいがち。
でも、きょうは必要なものだけ買おうと心を決めてお買い物へ出かけます。
「ハブラシ ハブラシ タオルだけ」
とうたいながら。

公園で一休みすることにしたアタラシさんは
よくがまんしている自分に
新しい味のアイスクリームを買ってたべました。

アタラシさんは、買っちゃったのです。
うふふっと、くすくすと、
すこし軽やかな気持ちになるお話が12話つまっています。

以前、わたしは、
いそがしく過ごしている友人のたんじょうびプレゼントに
「みちくさ劇場」を送ったことがあります。

珈琲をのむような、
お昼寝をするような、
一息のできるえほんだなと感じて、
すこしお休みできますようにという気持ちを込めて送りました。

こどものみならず、お母さんやお父さんにもおすすめしたいえほんだなと思っております。

来月からは、また違うテーマでえほんをご紹介させていただきます。
お楽しみに。
(たねおい)
 

作・絵: 荒井 良二
出版社: あかね書房 (http://www.akaneshobo.co.jp
税込価格: ¥1,155(本体価格:¥1,100)
発行日: 1999年
ISBN: 9784251098276

2013年1月29日
【デジタルえほん社ニュース・デジタルえほんミュージアムオープン】

こんにちは。

1月23日に、東京・市ヶ谷にデジタルえほんミュージアム(ドットDNP内)がオープンしました。
“「本」の未来の「読み手」と「作家」を育む”をコンセプトにした、
子どもと一緒に楽しめる体験型のコミュニケーションスペースです。
デジタルえほんに関するワークショップや展示のほか、世界中のデジタルえほん作品が自由に楽しめます。
http://www.dnp.co.jp/dotdnp/floor/digital.html

デジタルえほんミュージアムはデジタルえほんとCANVASが
企画・プロデュースをさせていただいています。
子どもたちの創造力やコミュニケーション力を育む手段の一つとして
「デジタルえほん」を広めていきたい、そうした想いを一つにDNPの皆さんと施設をつくってきました。

このブログでも今後、デジタルえほんミュージアム内の展示内容や
ワークショップについてご紹介して参ります。

※デジタルえほんミュージアムのコンセプトや展示内容について
絵本ナビさんにご取材いただきましたのでこちらもぜひご覧ください。
http://www.ehonnavi.net/specialcontents/contents.asp?id=41&pg=1
(たかぎ)

Access
所在地/東京都新宿区市谷田町1-14-1 DNP市谷田町ビル
(コミュニケーションプラザ ドットDNP B1F)
開館時間/10:00-18:00
休館日/日曜日・年末年始
入場無料
URL:http://www.dnp.co.jp/dotdnp/

2013年1月28日
【えほん社の本棚 デジタルえほん No.9】「ラジオえほん ゴ・ゴ・ゴリラ」

こんにちは

1月23日という今日の日付を眺めていたら
1・2・3と並んでいるなとぼんやり思い、
今日は何の日だろうとふっと調べてみました。

1(いい)23(ふみ)

いい文・E文 という語呂合わせより
電子メールの日なのだそうです。(1994年制定)

きょうも、みなさんにいい文で素敵な作品をご紹介したいと思います。

きょうのデジタルえほんは、「ラヂオえほん ゴ・ゴ・ゴリラ」です。

デジタルえほんをひらくと、レコードのまわるジリジリという音。
明るい色彩で描かれたレコードの絵に
「どんなお話だろう」とわくわくします。

いよいよ、お話がはじまると・・・
サンプラザ中野くんの歌にあわせて、ゴリラが登場します。

【みる】という文字にタッチすると、お話が始まります。
ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴ・ゴという
サンプラザ中野くんの歌と音楽
愛らしいゴリラのイラストに、こどももにこにこ踊りだしそうです。

主人公のゴリラは、パンダなど出会うものたちの素敵なところに憧れて
名前の一文字をもらい、姿も変身していきます。

〈パンダのパの字がかわいい〉
〈黄色いドレスがおしゃれなバナナ〉など
ゴリラの憧れる視点がとっても素敵なのですよ。
「今度はどんなところに憧れるのだろう」と、
読み進めるたのしみになりました。

【あそぶ】モードでは、お話に合わせて、
犬の声、タンバリンなどの音を鳴らして楽しむことができます。

わたしの友人の2才の子と
「ゴ・ゴ・ゴリラ」をいっしょに読んだことがあります。
普段、じっと座っていることも得意ではないようで、
長いお話のえほんもまだあまり読んだことがないと聞いていました。
「ゴ・ゴ・ゴリラ」を一度読み終えたところで、
もう1回とアンコール。
いっしょにうたっているように声を出し、
すっかりお気に入りの一冊になっていました。
わたしも、「ゴ・ゴ・ゴリラ」のうたが頭から離れなくなる
そんな一日でした。

えほんがはじまると、
たのしい音楽と素敵なお話に
気持ちもわくわくし、からだも動いてしまう
そんなデジタルえほんです。
(たねおい)

名称: 『ゴ・ゴ・ゴリラ』
価格: 無料
販売元: DENTSU MAGAZINE © 2011 DENTSU INC.
条件: iPad 互換 iOS 4.2 以降が必要
※ ラヂオえほんwebサイトからも読むことができます。
http://ehon.jfn.co.jp/index1.html
販売サイト:App StoreTM(アップストア)
https://itunes.apple.com/jp/app/go-go-gorira/id448288075?mt=8

2013年1月23日
【えほん社の本棚 紙のえほん No.9】「もりのなか」

こんにちは
日がすこしずつ長くなっておりますね。
こどものころは「いちばん日が短いのは2月」、「いちばん日が長いのは夏休み」
そんな風に感じておりました。
同じ現実だけれど、
こどもだけにある現実というようなものってありますよね。

きょうご紹介する紙のえほんは、まさにこどもだけの世界のお話です。
マリー・ホール・エッツ「もりのなか」です。

紙の帽子をかぶり、らっぱを持って、
少年はもりへ散歩に出かけました。
いくつものすてきな出会いのある散歩になりました。

はじめの出会いは、らっぱの音に目を覚ましたライオン。
昼寝から起きたライオンは
「かみをとかしたら、ついていっていいかい?」
と少年に並びいっしょに散歩をすることになりました。

2頭のこどものぞうも
少年とライオンを見つけると水浴びをやめて、ついてきました。

このあと、どんなどうぶつに出会えたでしょうか。

わたしの好きなシーンは、
少年はらっぱを吹き、ライオンは吠え、ぞうは鳴き、
まるで楽隊のように行進するシーンです。
少年とはじめて会ったみんなが、
じぶんの声を出し、じぶんの音を鳴らし、
むりをすることなく、自然と連なり歩いていく。
音楽の素敵な力
すぐにともだちになれてしまうこどもの特性を感じます。

はじめて「もりのなか」のページをめくったとき、
すべて白黒で描かれた質感のある絵に、
薄暗くものがなしく、ざわざわした気持ちになりました。
そして、どうぶつがぱっと消えてしまうシーンに対して、
「どこへ行ってしまったのだろう。」
と不安に思ったことが印象的でした。

読んだときの気持ちや絵への印象は、
じんわりとずっと心の中に残るもののようで、
読み直してもその気持ちを思い出します。

内容だけではなく読んだときの印象も含め、
えほんは気持ちを育むきっかけになるかもしれませんね。

「もりのなか」は決して特別なお話ではなく、
こどもの目にうつる世界のひとつのたとえ話のように思います。

おとなとこどもで読んだ印象が異なりそうです。
こどもといっしょに読み、感想を言い合ってみたら、
どんなおはなしができるでしょうか。

(たねおい)

作・絵: マリー・ホール・エッツ
訳: まさき るりこ
出版社: 福音館書店(http://www.fukuinkan.co.jp
税込価格: ¥1,050(本体価格:¥1,000)
発行日: 1963年12月20日
ISBN: 9784834000160


2013年1月22日